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松商学園生がドライフルーツ「てまりんご」開発 落果リンゴ活用、販売も

「てまりんご」を手にする生徒たち

「てまりんご」を手にする生徒たち

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 松商学園高校商業科の生徒たちが、落果した地元産リンゴを用いたドライフルーツ「てまりんご」を開発した。

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 台風やひょうによる落果や傷などで販売できなくなった安曇野産のフジ、約200キロを加工。サイズは1粒1センチ角ほどで、果実の風味を生かした食感に仕上げた。名前は、伝統工芸「松本てまり」にちなんだもので、生徒らが考えた300案ほどの中から決めたという。

 同校では課題研究の授業の一環として、地域の課題について解決案を考える探求型学習を実施している。始めた当初は学内のみだったが、徐々に地域の大学や企業と共同で取り組むことも増えた。同校の横山満教諭は「フィールドワークは大変だが、その分、生徒たちが得るものは大きい」と話す。

 同商品は、2年ほど前に災害による農業被害の話を聞き、「何かできることはないか」と取り組み始めた。ブドウやブルーベリーなどほかの果物についても検討したが、商品化が難しかったという。昨年10月、同校の卒業生が安曇野の農家の被害を紹介したフェイスブックを見た生徒が、「リンゴを活用したい」と提案。「商品として売り出すことで、農家のリスクを減らすことができるのではないか」と、加工業者を探すなど具体的に動き出した。

 8月18日~20日に井上百貨店(松本市)で行われる、県内外の高校による合同販売イベント「デパートゆにっと」で販売するため、生徒たちは準備を進めている。先月下旬には、市内のイベントで試験販売し、準備した50袋を完売。同校の樋口剛志教諭は「多くの人に手に取ってもらえるよう、売り方についても皆で考えている」と話す。

 「普段の生活で取り入れられるような商品を」という思いもあり、今後はグラノーラの開発も検討しているという。「単に販売するだけではなく、県内産であることの価値や農家の皆さんの思いを伝えることに力を入れていきたい」と横山教諭。

 1袋95グラム入り。価格は540円。

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