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松本・上高地の2つのホテルが「稜線バタークッキー」 山小屋支援でタッグ

五千尺の田中さん(左)と、白樺荘の鳥居真太郎副社長

五千尺の田中さん(左)と、白樺荘の鳥居真太郎副社長

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 松本・上高地の五千尺ホテル上高地と上高地ホテル白樺荘が「稜線(りょうせん)バタークッキー」を共同開発し、8月11日の「山の日」に販売を始めた。

販売初日は登山客や観光客にPR

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 クッキーは、近代登山の黎明(れいめい)期に登山家が行動食として持ち歩いていたという舶来品のビスケットをイメージ。発酵バターや焦がしバターを加えて風味を生かし、さっくりとした歯応えに仕上げた。パッケージはレトロな雰囲気で、商品名のほかに、「近代登山発祥ノ地」という文字も添えた。収益の一部は、登山道の整備や環境保全に取り組む山小屋などに寄付する。

 登山道の整備や管理は、山小屋を中心とした関係者が担っているが、長引くコロナ禍で観光客・登山客が減少し、負担が増加。環境省が検討主体となり協力金を募る実証実験や、山小屋を支援するクラウドファンディングなどが立ち上がっている。五千尺の執行役員・田中寿穂さんは「私たちも何かできることはないだろうかと考えたのが出発点」と振り返る。

 両ホテルは、開山祭などのイベントで共に取り組むことはあったが、商品開発をするのは初めて。共通の取り引き先である安曇野市の製菓会社「彩香」に声をかけ、3月ごろに本格的な取り組みを開始。「山の日」でのお披露目を目標に、試作を重ねてきた。

 11日は、上高地バスターミナル前にブースを設けて販売。試供品や寄付について紹介するチラシも配ってPRした。初日分は完売。今後は、ほかの宿泊施設など取扱店を増やしていきたいという。「皆さんの『支援したい』『協力したい』という思いの強さは、私たちの予想以上だった。上高地の環境を維持する取り組みの一つとして、愛される商品にしていければ」とも。

 価格は、3枚入り=300円、12枚入り=1,000円、24枚入り=1,800円。両ホテルとウェブサイトで販売する。

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