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「塩尻の家U25」学生対象設計コンペ 若手のチャレンジと学びの場に

「長野とのゆかり」をどう捉えるかは自由。多くの若者へ参加を呼びかける

「長野とのゆかり」をどう捉えるかは自由。多くの若者へ参加を呼びかける

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 長野県にゆかりを持つ25歳以下の学生を対象にした、一戸建て住宅の設計コンペティション「塩尻の家U25」が行われる。現在、参加者を募集している。

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 参加資格は、県内在住や出身、または何らかのゆかりがある25歳以下の学生。グループでの応募も可能だが、その場合、全員が資格要件を満たす必要がある。実施過程では、施主と指定の建築事務所と共同で実施図面の作成も行う。

 参加応募はウェブで受け付け、希望者を対象に11月6日、現地案内会・説明会を開く。作品提出締め切りは12月31日。1次審査を経て、施主と面談した後、2次審査を行う。最優秀賞は実施図面作成と副賞20万円、優秀賞は10万円、佳作は5万円を贈呈する。

 理念として揚げるのは「長野らしさのある家」「自然の豊かさを取り入れた家」「モダンで和の雰囲気がある家」「無駄な装飾のないミニマルな雰囲気」の4つ。運営チームで信州大学大学院総合理工学研究科工学専攻建築学分野2年・東礼華さんは「最優秀賞受賞者には、基本設計から竣工(しゅんこう)まで関わってもらうので、チャレンジの場としてだけではなく、実践的な学びの場にもなる」と話す。

 以前、塩尻市のシビック・イノベーション拠点「スナバ」でインターンをしていた東さん。同拠点のスタッフを通じて、東京と塩尻の2拠点居住をしている施主から相談を受けた。施主の知り合いが、東京の大学の研究室内で開いた設計コンペで自宅を建てたということもあり、同様の構想を持っていたという。「信州の若者に頼みたい、ということで企画したが、何歳までを対象にするかは議論を重ねた。建築業界では30歳でも若手だが、学生にとって一つのスタート地点になればと考え、25歳以下にした」と東さん。施主自身も、若い頃に多くの人の支援を得ながらチャレンジしてきた経緯を持ち、「自分が受けてきた支援を後進につなぎたいという思いもある。新しい感性、アイデアを発揮して良いものを作ってもらいたい」と期待を寄せる。

 東さんは、2015(平成27)年に「まつもと空き家プロジェクト」を立ち上げ、翌年にはコミュニティースペース「ロッピキ」(松本市北深志3)をオープン。その後も、建築を通じてさまざまな場づくりを学び、活動してきた。現在は、ジンバブエの首都・ハラレでチャイルドケアセンターの建築事業に携わっている。「信州にゆかりのある学生が、『信州らしさ』をどのように捉えるか、深堀りして思いを形にしてもらいたい。大きな野心を持って挑戦してもらえれば」と呼びかける。

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