松本市を中心に県内で撮影が行われた映画「流浪(るろう)の月」のロケ地を掲載したマップが現在、市内を中心に配布されている。
「2020年本屋大賞」を受賞した凪良ゆうさんの同名小説を映画化。「元誘拐犯」と「被害女児」とされる2人が事件の15年後に再会し、恋愛とも友情とも異なる関係を築いていく様子を描く。主演は広瀬すずさん、松坂桃李さん。市内で撮影を行うなど観光振興に資するゆかりの深い作品「松本シネマ」にも認定された。
マップはA3判の4つ折り。松坂さんが演じる佐伯文が営むカフェの撮影が行われた松本ガス(松本市渚2)所有の建物や、一ツ橋、公園通りなど市内の8カ所のほか、長野市や大町市のロケ地を掲載する。
撮影は昨年8月~10月に行われ、市民エキストラ約130人も参加した。ロケ地の決め手となったのは、カフェとなった建物。6月に大町市の青木湖で撮影をした後、下見を兼ねて立ち寄った李相日監督が「建物や周辺の風景がイメージに合う」と目を留めたという。松本観光コンベンション協会・フィルムコミッション担当の小林敏明さんは「ずっと使われておらず、取り壊そうという話も出ていた建物。すぐに所有者を調べて連絡を取った」と振り返る。
ロケ地の一つにもなった「信毎メディアガーデン」(中央2)では現在、パネル写真展を開催(5月31日まで)。館内各所に撮影風景の写真や李監督のあいさつなどを展示する。小林さんは「松本の街の空気を感じられる映画。マップや写真展でもその雰囲気を感じてもらえれば」と話す。
松本シネマライツ、イオンシネマ松本、アイシティシネマなどで上映中。