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松本・中町通りにギャラリー「なかつか」 新旧の器の組み合わせ提案

「古いものと新しいものの組み合わせも楽しんで」と錦織さん

「古いものと新しいものの組み合わせも楽しんで」と錦織さん

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 器など工芸品のギャラリー「器と工芸 なかつか」(松本市中央2、TEL 0263-32-4168)が松本・中町通りのナカツカビル3階にオープンして1カ月が過ぎた。

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 店舗面積は約13坪。全国各地のクラフト作家の作品と、古い器を扱う。店主の錦織康子さんは「新しいもの8割、古いもの2割くらいの品ぞろえ。新旧組み合わせる楽しみ方を、暮らしに加えてもらえれば」と話す。

 安曇野市で作陶する藤田千絵子さんが手掛けるのは、シンプルな中に温かさを感じる器。子ども用のカップや皿も用意する。松本市でオーダーメード家具の設計・製作を行っているBELKA(ベルカ)の木の皿や、カッティングボードなども並ぶ。

 SUKOYA(奈良県奈良市)がシラカバの皮を用いて作る籠やキャニスターは、モダンな雰囲気。渡邊心平さん(佐賀県伊万里市)の絵付けの器は、古典的な柄から現代風の幾何学模様まで多岐にわたる。坪井俊憲さん(岐阜県土岐市)の粉引きの器や、竹下努さん(岐阜県多治見市)の磁器など、料理が映える使い勝手の良いアイテムも。

 地元で仕入れているという古い器は、幕末から明治、大正、昭和初期のものが中心。収集するのではなく普段使いする生活骨董(こっとう)として、暮らしに取り入れることを提案する。花を生けてディスプレーしていたそば猪口(ちょこ)を手に取り、「こういうふうな使い方を家でもしたい」と購入する人もいるという。「これまで骨董に縁がなかったという若い人が興味を持ってくれることがうれしい」と錦織さん。

 これまで、東京で会社勤めをしたり、介護の仕事をしたりしてきた錦織さん。子育てや親の介護が一段落し、「これから先、何をしようか」と考え、実家が所有するビルのしばらく空き店舗になっていた3階でギャラリーを始めることを決めた。「これまで携わったことのない仕事だが、自分がときめくものを紹介したいと思った」。作家の元に自ら足を運んで交渉して集めたアイテムは、今後さらに充実させていきたいという。

 「開業を相談すると、周りからは反対や応援、いろいろな反応があった。それでも決めてからは、たくさんの人が挑戦を後押ししてくれた」と錦織さん。通りに面した広い窓からは、蔵造りの建物や瓦屋根、四柱神社の木々が見える。「3階までは階段だが、にぎやかな通りから少し違う世界への道だと思って上がってきてもらえれば」とも。

 営業時間は10時~日没ごろ。水曜・木曜定休。

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