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安曇野の「山登り猫」をモデルにしたエッセーが漫画化-家族と猫の絆描く

優しいタッチで描かれた漫画版「山登りねこ、ミケ」

優しいタッチで描かれた漫画版「山登りねこ、ミケ」

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 安曇野市の岡田裕さんが書いたエッセー「山登りねこ、ミケ 60の山頂に立ったオスの三毛猫」(日本機関紙出版センター)が漫画化され、6月2日に発売された。出版はぶんか社(東京都千代田区)。

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 ミケは1万匹に1匹といわれる珍しい雄の三毛猫。リードなしで山に登ることが話題になり、マスコミや雑誌でも数多く紹介された。エッセーではミケの山登りの様子がメーンに書かれていたが、漫画では飼い始めたいきさつや、ミケを通じて家族の絆が深まる様子などが描かれている。登山中の写真や、ミケが登頂した山なども紹介する。アレンジを加えたストーリーもあるが、ほとんどが実話に基づいたもの。

 同書は、同社が出版する月刊漫画誌「本当にあった女の人生ドラマ」で昨年の11月号から今年の5月号まで連載していたものをコミック化した。絵は漫画家のたきむらりゅうさんが描く。「安曇野の田園風景や動物の優しい雰囲気を表現してもらいたいと思い、たきむらさんに絵を依頼した」と同社編集部の金田聡子さん。連載中、読者からは「癒やされる」「元気と勇気が出る」など、多くの反響があり、今後、東日本大震災の被災地にも送る予定があるという。

 ミケは昨年11月、悪性リンパ腫のため16歳で死去。現在岡田さんは「のん」「ふく」の2匹の猫を飼っている。「ミケの容体が芳しくないころ、市内の読者から『自分の家で野良猫が子どもを産んだ。ぜひ飼ってほしい』と頼まれて…。戸惑いはあったが『命のバトンタッチだ』と思い引き取った」。野良だったため最初はなつかなかったが徐々に慣れ、岡田さんとミケの日課だった散歩は、今はこの2匹と行っている。「ミケと同じようについてきた。不思議(笑)」。現在2匹は、ミケと同じように山を登るようにまでなった。「ミケも最初の4回くらいはリードを付けて登っていたけど、のんとふくは最初からリードなしでついてくる。ミケが守ってくれているんじゃないかなと思う」と岡田さん。

 「またミケのことを知ってもらえる本ができ、とてもうれしい。いい供養ができたと思う。ミケが亡くなるまでのことや、のんとふくのことも書いたエッセーも書ければ」とも。

 体裁はA5版、164ページ。価格は1,000円。

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