安曇野の「山登り猫」が本に-飼い主と62の山を踏破

標高1,502メートルの夏焼山(南木曽町、飯田市)に登頂したときのミケ(2005年5月)

標高1,502メートルの夏焼山(南木曽町、飯田市)に登頂したときのミケ(2005年5月)

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 安曇野市に住む山好き夫婦と一緒に山登りをする三毛猫・ミケの様子をつづった「山登りねこ、ミケ 60の山頂に立ったオスの三毛猫」(日本機関紙出版センター)が話題を集めている。

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 著者は飼い主の岡田裕(ゆたか)さん(53)。同書はミケとの出会いから山登りの様子、今までにミケが登った山の紹介などを写真と一緒に掲載している。道中で遅れているミケを心配していたら野ネズミをくわえて登ってきたり、妻のさよさん(52)が吹くコカリナに合わせて鳴いたり、頑張って歩きすぎると急に足を投げ出して座りこんだりと、愛らしい行動も描かれている。水を怖がらなかったり、犬が好きで猫は嫌いだったりと猫らしくない一面も紹介している。

 岡田さんは大阪府出身。さよさんとは長野県内のスキー場で出会ったこともあり、「将来は信州で暮らしたいね」と話していたという。子どもが生まれ、大阪という都会での生活に疑問を抱くようになった岡田さんは「信州で暮らそう」と移住を決意。北アルプスの見える安曇野市に家を建てた。大阪で勤めていた養護学校教諭を続けるため県の教員採用試験を受け直し、3度目の挑戦で合格。現在、安曇野市内の小学校に勤務している。

 「今まで日記などにミケのことを記してはいたものの、本にするつもりはなかった」という岡田さん。「ミケと山を登る回数が増えていくうちに、『山登りする猫がいるんだよ』という事実をたくさんの人に知ってもらいたくなった」と話す。「読みやすいように心掛けて書いた。『癒やされる』と言ってもらえているのでうれしい」。挿し絵のミケのイラストも岡田さんが描いた。「ずっと描きためていたものから選んだ」。

 ミケは現在15歳。高齢になったが今も岡田さん夫妻と一緒に山登りを続けている。「山道ですれ違う人に犬と間違われることがある」と岡田さんは笑う。「これからもミケと一緒に山登りを続けたい。ミケは今まで62の山を登ってきた。できれば70くらいまでは一緒に登りたい」とも。

 AB版112ページ。価格は1,000円。

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