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安曇野ちひろ美術館で新企画展-開館15周年で入場無料日も

いわさきさんの作品を解説する学芸員の宍倉恵美子さん

いわさきさんの作品を解説する学芸員の宍倉恵美子さん

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 北安曇郡松川村の「安曇野ちひろ美術館」(松川村西原、TEL 0261-62-0772)で現在、企画展「ちひろ27歳の旅立ち」が開催されている。

館内のカフェでは、企画展に合わせた春の新メニューも

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 同館は「ちひろ美術館・東京」(東京都練馬区)の開館20周年を記念して1997年に開館。絵本画家・いわさきちひろさんの作品をメーンに、世界の絵本画家の作品を展示する。

 同展は、今年7月に公開するいわさきさん初のドキュメンタリー映画の公開を記念して企画。映画に登場する作品などとともに、いわさきさんの言葉や各時代のポートレート、資料を展示する。「いわさきさんのさまざまな側面を見てもらえる内容にした」と副館長の竹迫祐子さんは話す。

 ベトナム戦争末期の1972(昭和47)年から翌年にかけて描かれた「戦火のなかの子どもたち」の原画も展示。優しい雰囲気の作品が多いいわさきさんだが、同作品は悲しげな子どもたちの姿が描かれている。「ベトナムの子どもたちに思いをはせ、自らが体験した第二次世界大戦と重ね合わせていた。当時いわさきさんは体調を崩していたが『今描かなければ』という思いで描いていた」と同館学芸員の宍倉恵美子さん。シクラメンの花の中にたくさんの子どもたちが描かれた原画は「シクラメンの赤と戦火を重ねている」と話す。

 安曇野開館15周年、東京開館35周年を記念した「ピエゾグラフによる『わたしのちひろ』展」も併せて開催。リクエストで作品を決めた参加型の企画展で、同館では30点を展示する。作品にはリクエストと共に寄せられたメッセージも添える。

 4月1日は入館料を無料にし、さまざまなイベントも行う。ワークショップ「ちひろの水彩技法体験」(参加無料)では、いわさきさんが描く水彩絵の具のにじみを利用したカードを作る。同館と同い年の1997年生まれの先着50人には、オリジナルグッズをプレゼントするユニークな企画も。

 「今年は節目の年。もっといい美術館にできればと、館内もリニューアルした」と竹迫さん。「いわさきさんは、全ての作品に平和への願いや子どもたちの命の輝きを込めて描いている。思いを感じてもらえたら」とも。

 開館時間は9時~17時。第2・4水曜休館。入館料は、大人=600円、高校生以下無料。5月8日まで。

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