ドラえもんの科学みらい展、「タケコプター」人気に-松本・笹賀の会社が出展

1人乗りヘリコプター「GEN H-4」と柳澤社長 ©小学館

1人乗りヘリコプター「GEN H-4」と柳澤社長 ©小学館

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 日本科学未来館(東京都江東区)で開催されている「ドラえもんの科学みらい展」に「GEN CORPORATION」(松本市笹賀)が開発した1人乗りヘリコプター「GEN H-4」が展示されている。

空を飛ぶ「タケコプター」

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 ドラえもんの「タイムマシン」「透明マント」などの秘密道具が、現在どこまで実現されているのかを、夢の世界と科学技術を重ね合わせて紹介する同展。同ヘリは「タケコプター」のように自由に空を飛ぶことを目指して開発された世界一小さいヘリコプターとして展示され、乗り込んでの記念撮影やシミュレーション映像を使った飛行体験ができる。

 精密機械や小型エンジンを開発する同社が小型ヘリコプターの開発を始めたのは1985(昭和60)年。3年ほどかけて軽量でパワフルな小型エンジン「GEN125」を開発した。その後、ハングライダーやパラグライダーに搭載して飛行試験などを重ね、1994年ごろから試作1号機の製作を開始。当初は遠隔操作の農業用ヘリコプターを計画していたが無人機は難しく、まずは有人機の開発を進めることに。試行錯誤を繰り返しながら、1995年には数秒間の浮上に成功。その後、アメリカやイタリアでのデモ飛行や国内外のイベントに映像出展などを行ってきた。2008年には「人が乗れる最小のヘリコプター」としてギネスブックにも登録された。

 同社の柳澤源内社長は「空を飛びたいという気持ちは3歳くらいのときからずっとあった」と振り返る。「途中であきらめなかった、というより好きで仕方なかったから何度でも挑戦した。あきらめるなんて考えたこともなかった。問題を解決していくのがとにかく楽しかった」。

 同館から出展の話があったのは3年ほど前。「最初は常設展でという話だったが、半年後くらいに『ドラえもん展』の企画を聞いた。『タケコプター』ならこれしかないということで、出展することに」と柳澤社長。同機を展示用に少し改造して出展。「遠くない将来、今より自由に空を飛べるようになるはず。子どもたちとって、そのときのための練習になると思う」。

 同ヘリは、土日や夏休み期間中は30分~1時間待ちになるほどの人気だという。6月26日にはトークショーを開き、柳澤社長が開発過程などを動画も交えて説明した。質疑応答で少女から「将来やってみたいことは何ですか?」と問われた柳澤社長は「あんなことをしたい、こんなことをしたいと思いながら一生懸命頑張って粘り抜けば何でもできると思う。ドラえもんにもなれると思うよ」と笑顔で答えた。

 「今後はラジコン機も有人機も含めて、農作業や林業、また災害時にも役に立てるようにしていきたい」と柳澤社長。実際に行政からの依頼もあり、デモフライトを行う予定もあるという。「いろいろと手続に時間がかかることが多いが、実用化に向けて進めていきたい」と意欲をみせる。

 開館時間は10時~17時(8月28日・29日は18時まで)。入場料は、大人=1,300円、18歳以下=600円(常設展含む)。火曜休館(8月31日は営業)。9月27日まで。

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