松本のギャラリーカフェで陶芸展-地元の土で味わいある作品に

味わいのある、落ち着いた雰囲気の作品が並ぶ。

味わいのある、落ち着いた雰囲気の作品が並ぶ。

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 松本市のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で現在、陶芸家・角(すみ)りわ子さんによる作品展「角りわ子 陶展」が開催されている。

 同展では皿や器、花器など約90点を展示する。深みのある茶色や墨黒、優しい色合いのベージュなど、落ち着いた色調のものが多い。作品には四角や三角を組み合わせた模様や、植物を思わせるデザインが施されている。「大学時代に抽象美術を学んでいたので、そういう模様に引かれる」と角さん。

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 幾何学模様が施された陶板は、さまざまな種類が。月や星、惑星を連想させる模様が描かれた「彩紋陶板」は、赤や黄色、青など色鮮やかな着色が施されている。十字にデザインされた「黒墨釉銀彩陶板」は1マスごとに異なる模様が描かれている。

 角さんは鳥取県出身。同志社大学で美学芸術学を専攻し、卒業後は工業試験場(京都市)で陶芸を学んだ。その後京都で修行を続け、1992年に陶芸の技術指導のためにタイのチェンマイへ。1年間の任期を終えて戻った京都で、別荘で作陶工房の「勘六山房」(東御市)を任せられる人を探していた作家の水上勉さんを友人から紹介された。水上さんは執筆中の小説のためにタイ語の通訳も必要としており、水上さんのアシスタント、アドバイザー、窯守りとして住み込みで働きながら作陶活動をすることに。2004年に水上さんが亡くなった今も、「勘六山房」で愛犬3匹と暮らしている。

 同展では地元で採れる竹から作る手すき紙「竹紙」の展示も。「竹紙」は、「勘六山房」に通って制作している小山久美子さんによるもの。水上さんが文献だけを頼りに復活させた中国発祥の紙で、小山さんをはじめとする継承者が製造に励んでいるという。角さんの作品のディスプレーにも使用し、雰囲気を作り出している。

 「料理が映えるもの、軽いものを作るように心掛けている。重い食器の上げ下げって大変でしょう」と角さん。小山さん同様、角さんも地元で採取できる土を使って作品を作っているという。「裏山の山土を使っている。決して扱いやすい土ではないが、いい味わいが出るので。山土から出る独特の雰囲気を持つ作品を作っていけたら」とも。

 作品は販売も行う。ぐいのみ=3,000~、皿=1,500円~、花器・陶板=1万円~など。営業時間は11時~20時。火曜と第1・3月曜定休。入場無料。6月28日まで。