ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの絵画を集めた特別展「北欧の神秘」が現在、松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-7400)で開催されている。
各国立美術館が所蔵する19世紀~20世紀初頭の絵画を紹介する巡回展で、東京に続いて2会場目。各国の自然や伝承に見られる神秘的な側面に着目し、画家47人の作品68点を展示する。
会場は4部構成。序章では「神秘の源泉」として、自然や神話、民間伝承などを視覚芸術に登場させるようになった19世紀初頭から後半の作品を紹介する。第1章「自然の力」は、白夜やオーロラ、森、動物など、各国の特徴的な自然を題材としたものが中心。「叫び」で有名なノルウェーの画家エドバルト・ムンクの「フィヨルドの冬」は、自然が生み出す情景をダイナミックなタッチで表現している。
第2章「魔力の宿る森」では民間伝承にインスピレーションを受けた作品、第3章「都市」では都市の人々や風景を神秘的な雰囲気で描いた作品が多く並ぶ。同館学芸員の中澤聡さんは「北欧というとデザインやテキスタイルのイメージを持つ人が多いが、1900年前後の黄金期といわれる時代の絵画は、その土壌となっている。当時の空気を感じてもらえれば」と話す。
開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,500円、大学生、高校生、70歳以上の松本市民=1,000円、中学生以下無料。月曜休館(祝日の場合は翌平日、8月は無休)。9月23日まで。8月6日、27日には学芸員によるギャラリートークを行う。