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松本で中川智治さん個展「美術と工芸の鉢」 創意工夫した存在感ある植木鉢

「新たな環境を生かして、今後はまた食器にも取り組みたい」と中川さん

「新たな環境を生かして、今後はまた食器にも取り組みたい」と中川さん

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 立科町在住の陶芸家・中川智治さんの個展「中川智治展 美術と工芸の鉢」が現在、松本市のセレクトショップ「ANOTHER LOUNGE(アナザーラウンジ)」(松本市中央1、TEL 0263-35-7218)で開催されている。

さまざまな表情の植木鉢

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 大小さまざまな植木鉢、約100点を展示する。メタリックな質感は、中川さんが銅やコバルトなど金属を配合して作っている釉薬(ゆうやく)によるもの。数種類合わせたり、塗り方を変えたりすることでさまざまな表情を生み出している。

 土がある程度固まった段階で、へらで削って作るという、縁が割れたような形のものや、岩石を混ぜた釉薬を使って、つやのあるグラデーションに仕上げたシャープな形のものも。中川さんは「試行錯誤しながら、多彩な表情を出せるように工夫している」と話す。

 中川さんは千葉県出身。オーストラリアに留学した際に、スウェーデンの陶芸家、ベルント・フリーベリの作品に出合い、陶芸に興味を持った。帰国後に通い始めた陶芸教室で、講師として10年ほど勤務。2014(平成26)年ごろから本格的に作陶を始めた。当初は食器がメインだったが、もともと盆栽が好きということもあり、植木鉢を作るように。徐々に依頼が入り、今では作品の8、9割が植木鉢だという。

 立科町の陶房兼ギャラリーが居抜きで使えると聞き、今年4月に移住。現在は電気窯で焼いているが、今後は陶房にある灯油やガスの窯も試してみたいという。「いくつか窯があるので、焼き方でも違いを出せると思う。これからが楽しみ」とも。

 同店では、中川さんが食器を中心にしていたころから常設で展示販売。店主の矢口正和さんは「繊細なフォルムと色合いに一目ぼれした」と振り返る。多肉・塊根植物の人気の高まりや、矢口さん自身も植物が好きだったこともあり、少しずつ植木鉢の扱いを増やしていった。中川さんの作品に植物を植えたものもディスプレー。展示初日と2日目は中川さんが店に滞在し、来店客と作陶や植物について話を弾ませた。矢口さんは「中川さんの作品はオブジェでもある。植物と植木鉢を組み合わせてアートを楽しんでほしい」と呼びかける。

 価格は植木鉢=4,400円~。営業時間は11時~18時。水曜定休。8月6日まで。

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