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松本・女鳥羽川沿いに欧州総菜店「カワゾイ」 決め手は湧き水

ショーケースにはその時々の食材で作る総菜が並ぶ

ショーケースにはその時々の食材で作る総菜が並ぶ

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 欧州総菜店「Kawazoe(カワゾイ)」(松本市大手4、TEL 080-7962-0777)が松本・女鳥羽川沿いに11月1日、オープンした。

女鳥羽川沿いに建つ店舗

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 籠やざるなどの竹製品を扱う「上原善平商店」の裏手で、以前は事務所などに使われていた蔵を改修。店主で料理家のワインあけびさんは「自分が心地よい空間にと、しっくいを塗ったり、丸い窓を設けたりした結果、より蔵らしい姿になった」と話す。

 旬の食材を使った総菜は10~15種類で、価格は100グラム500円前後。酒かすやお酒を入れた「ウフマヨ」(2個390円)や、野菜を角切りにしてあえた「チェコ風ポテトサラダ」をはじめ、リエットやペペロナータなども用意する。「基本はフランス料理だが、これまで自分が過ごしてきた場所や旅をした場所など、いろいろな国のエッセンスが混ざっている」。信州サーモンや「松本一本ねぎ」など地元食材を使ったものや、ティラミスなどデザート類もある。

 あけびさんの父・イエルカさんはチェコ出身で、現在は中川村でまきストーブを製作している。あけびさんは大鹿村で生まれ、幼少期はニュージーランドや中川村で過ごした。高校卒業後、チェコへ渡り、翻訳や通訳の仕事をしていたが、ナチュラルワインとの出合いが転機に。ワイン造りに携わりたいと向かったフランスで、レストランに勤務し、料理の道へ進んだ。

 その後はイタリアでも暮らし、2019年に帰国。翌年4月に信濃毎日新聞で連載「アモーレ!イタリア料理」を始め、中川村のシェアオフィスなどで講座を開催。10月に神奈川県鎌倉市へ移住し、料理教室とケータリング用のアトリエを構えた。「自分の工房を持って、料理には水と空気が大きく影響することをあらためて感じた」とあけびさん。町中で井戸水が使える松本に移ろうと決めて物件を探し、今年6月から準備を進めてきた。

 店名の一部にした「zoe(ゾーイ)」は、昨年、スープやペーストのオンライン販売を始めた際に決めた屋号。ギリシア語で人生という意味を持ち、女性の名前にも使われるという。来月には書籍「ワイン家のオーブン料理」の刊行が控え、校正に忙しい中での開業となったが、「店の前を行き来する人も気持ち良さそうで、眺めていても楽しい。この場所で店を持つことができて本当に良かった」とあけびさんは笑顔を見せる。

 営業時間は11時30分~18時。火曜~木曜定休。

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