松本・沢村のパン店「Ecru(エクリュ)」(松本市沢村3、TEL 0263-33-2861)がこまくさ通り沿い側にリニューアルオープンして1カ月が過ぎた。
同店は1992(平成4)年開業。通りからは見えない奥で営業していたが、通り側のテナントが移転したため、改装して移ることにした。約3倍の広さになった店内は、木目を基調に、絵やオブジェを飾るなどしてぬくもりのある雰囲気に仕上げた。店主の小林明美さんは「設計士の方にたくさんわがままを聞いてもらい、ずっと思い描いていたパン屋さんにすることができた」と笑顔を見せる。
パンや焼き菓子は、焼けたものから順次提供する。ハード系から、総菜系、スイーツ系まで幅広く、価格は100円~300円が中心。「角食」「パンドミ」(以上270円)など食パン4、5種類のほか、ベーグルやキッシュなども用意する。正面のショーケースには、果物を使ったデニッシュやタルト、サンドイッチが並ぶ。
もともとパンやお菓子を作るのが好きだったという小林さん。周囲からは「家で子どもに作っていたのとは訳が違う。そんな簡単なことではない」という声もあり、中古の什器(じゅうき)などをそろえて小さく始めることにしたという。市内のパン店で3年ほど修業して開業。フランス語で、「加工しない」「素材のまま」という意味を持つ店名には、「良い素材を使って、手間暇かけて作ればおいしいものができる」という思いを込めた。
リニューアルに伴い、新たに作ったプライスカードは、250枚ほどになったという。「パンがあふれかえるくらいたくさんある店が好きで、自分もそうしたいと思っていたら、どんどん種類が増えていった」と小林さん。常連客からは「今までの店も好きだったけど、ここもいい。ずっといたい」「何だか来たくなる店」と好評で、1日に何度も足を運んでくれる人もいるという。「お客さんはどう変わったのかをよく見ているものなので、気を引き締めて、よりおいしいものを提供できるように努力を続けていきたい」と意気込む。
営業時間は7時30分~18時。日曜・月曜定休。