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南安曇農業高100周年で「信州安曇野SOBA豚カレー」 ソバの甘皮を飼料に

「信州安曇野SOBA豚カレー」を手にする永木さん(左)、神戸さん(中央)、小岩さん

「信州安曇野SOBA豚カレー」を手にする永木さん(左)、神戸さん(中央)、小岩さん

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 南安曇農業高校(安曇野市豊科)生物工学科動物バイオテクノロジーコースの3年生が、学校創立100周年記念として地元の農家や企業と商品開発した「信州安曇野SOBA豚(トン)カレー」のお披露目を10月4日、行った。

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 同校では、畜産物の消費拡大プロジェクトとして課題研究の授業で5年前から、ソバを製粉する際に廃棄される甘皮を飼料として活用できるかを研究。これまでの成果を基に、同科の生徒35人が昨年から100周年記念として「南農カレー」を企画し、同コースの生徒14人が商品開発に取り組んできた。

 ソバの甘皮を飼料とした実証実験では、食味調査のほかアレルゲンの検査も実施。「柔らかくなる」「脂身が甘くなる」など肉質への影響のほか、「ソバ由来のタンパク質が肉に移行しない」という結果を得た。一昨年、県内で豚熱が確認されたため校内での飼育ができず、生産は三澤農場(三郷温)に委託。ソバの甘皮は「かまくらや」(松本市島立)が提供し、パッケージデザインは印刷会社「プラルト」(笹賀)、企画監修・販売指導は百貨店の「井上」(深志2)、製造は食品開発・販売の「セフコ」(安曇野市豊科高家)が協力した。同コース長の永木連さんは「最初のうちは、地域の農業支援につながっているのか不安に感じることもあったが、地元企業の皆さんと一緒に進めるうちに少しずつ、実感できるようになった」と振り返る。

 「信州安曇野SOBA豚」というネーミングには、音で親しみやすさを表現しつつ、地元の養豚農家を応援したいという思いを込めたという。ウデやモモ肉をカレーに使い、ほかの部位は、飲食店向けに出荷したほか、校内や山形村の「アイシティ21」で販売した。

 プロジェクトリーダーの神戸萌希さんは「これまで先輩が残してくれた資料を参考にしながら、2年かけて進めてきた企画が形になったことに感謝している」と話す。カレーは23日に行われる創立100周年記念式典で出席者らに配るほか、一般向けにも販売する。プロジェクト副リーダーの小岩麗美さんは「豚肉は歯応えがあり、カレーにマッチした仕上がりになった」と笑顔を見せる。

 今後は、第2弾として12月上旬に精肉販売、カレーの追加生産を予定する。コース主任の小池晃教諭は「安曇野産の土産物として、道の駅などでも展開していければ」と期待を寄せる。

 200グラム入りで、価格は648円。販売は10月23日から、井上百貨店本店とアイシティ21で行う。

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