6月17日に開幕する「信州・まつもと大歌舞伎」の関連企画として、歌舞伎の見どころや楽しみ方を解説する「歌舞伎ナビ」が6月6日、まつもと市民芸術館(松本市深志3)で行われた。
同館2階で行われている関連イベント「浮世絵で振り返る 信州・まつもと大歌舞伎」
同館が企画する、作品を楽しめるよう事前に学びの時間を設ける「レクチャーシリーズ」の一環。歴史的な文脈を踏まえつつ、現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信する「木ノ下歌舞伎」主宰・木ノ下裕一さんが、アナウンサー・中井美穂さんと共に歌舞伎の魅力を掘り下げた。
当日は約60人が参加した。木ノ下さんが、6月26日・27日に上演する「義経千本桜-渡海屋・大物浦」について、「木ノ下歌舞伎を見たことがある人?」「演目について知っている人?」などと参加者に問い掛けたり、過去の上演映像を交えたりしながら解説。源平合戦後に死んだはずの平家の勇将、平知盛、維盛、教経が実は生きていたという「ifの物語」とし、「義経『の』千本桜ではなく、義経『と』千本桜と捉えると分かりやすい。死んだと思った人たちに出会っていく」と説明した。
「歌舞伎ナビ」は、松本では5回目の開催。中井さんが「いいシーンだけピックアップされることが多いので、このように解説を聞くと理解しやすい」と話すなど、2人のやりとりもテンポ良く、和やかな雰囲気で進行した。
2008(平成20)年に始まった「信州・まつもと大歌舞伎」は今回が7回目。本公演「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」は6月17日~22日、全7公演を予定する。関連イベントとして、同館2階のシアターパークでは「浮世絵で振り返る 信州・まつもと大歌舞伎」として、これまでの演目の浮世絵(複製)を展示。過去の公演を映像、写真、冊子で振り返る「信州・まつもと大歌舞伎-13年の軌跡-」を同館含めた6カ所で開催している。
チケットは、本公演、木ノ下歌舞伎共に販売中。詳細はホームページで確認できる。