アウトドア用品と古道具を扱う「CLAMP(クランプ)松本店」(松本市旭1、TEL 0263-31-3368)が松本・旭の建物群「和泉町(いずみまち)五蔵」にオープンして1カ月が過ぎた。
江戸時代には穀物、明治時代にはお茶を扱う商家だったという建物群の母屋2階を、障子を棚に作り変えたり、押し入れを試着室に利用したりして改装。店内には、Tシャツやスエット、リュックサックや帽子などのほか、自転車やランニング、登山向けのアウトドアアイテムなども並ぶ。店長の武村信宏さんは「多様性を意識して、アウトドアだけではなく、日常でも使えるものを選んでいる」と話す。
ショップインショップとして、アウトドアアパレルブランド「YETINA(イエティナ)」直営店を展開。鹿島槍ヶ岳をプリントした限定デザインのスエットなども用意する。「ショップインショップにすることで、相乗効果も生まれる。今後はオリジナルや別注アイテムも充実させたい」
古道具は店内の什器(じゅうき)として活用しているものも多い。「売れたら補充して、それに合わせてレイアウトも変えられる」と武村さん。自転車のディスクブレーキを再利用した照明などもあり、今後は買い取りにも対応していきたいという。
県内2店舗目となる同店。伊那店は2011(平成23)年にオープンした。もともと、ランニングやスキー、クライミングなどのガイドをやっていた武村さんは、「最初は自転車から始めたが、徐々に物ではなく体験を重視するようになっていった」と振り返る。自転車のライド体験やスクールのほか、ランニングやヨガ教室なども開催。ライド体験が里山保全活動につながったり、キャンプ体験がきっかけで地元飲食店と「信州伊那谷真空ごはん」を開発・販売したりと、活動の幅を広げてきた。
野外イベント「ALPS BOOK CAMP(アルプスブックキャンプ)」や、書店「栞日」(深志3)でのポップアップショップを経て、松本での出店を考えるようになったという。「伊那から自転車で来てゲストハウスに1泊したり、市内をランニングして銭湯に入ってからご飯を食べたりと、さまざまなプランを作ることができる。松本に拠点を置くことで、県内のマイクロツーリズムを提案しやすくなると思った」
今後は、空いている奥の蔵を改装して、自転車販売や修理・メンテナンスにも対応できるようにするという。同店が運営する、伊那谷を自転車で巡る「charip(チャリップ)」との連動や、軽トラの荷台を使ったキャンパーの販売なども予定。武村さんは「フードロスや里山保全など、取り組みたいことがたくさんある。普段の暮らしが豊かにならないと、余暇は充実させられないので、生活をいい方向に変えていけるようなことに積極的に挑んでいきたい」と意気込む。
営業時間は10時~20時。月曜・火曜定休。