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安曇野でウエダキヨアキさん個展 「明るい未来」願い込めた器、オブジェ、絵画

当初の予定より開催期間は長くした。途中、作品を追加する予定

当初の予定より開催期間は長くした。途中、作品を追加する予定

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 陶芸家・ウエダキヨアキさんによる個展「ウエダキヨアキ展」が現在、安曇野市の「ギャラリー・シュタイネ」(安曇野市穂高有明、TEL 0263-83-5164)で開催されている。

再構築した「浄化あるいは再生」

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 カップや皿、鉢、ポットのほか、オブジェや絵画などを展示する。カラフルな絵付けに金彩を施したものや、グレーベースのモノトーンなど、ほとんどが一点もの。今年、還暦を迎えて制作した朱色のシリーズは、「厄よけ」の意味もあるという。

 「浄化あるいは再生」というテーマで長年手掛けているオブジェや絵も用意。使われなくなったものや捨てられていたものを使ったり、完成した作品にもう一度手を加えたりして再構築している。1995(平成7)年に制作したものに新たに手を加えた作品は、白いパーツが、羽のようにも葉のようにも見える。ウエダさんは「一見、暗い雰囲気の表現に見える部分もあるかもしれないが、明るい未来を予感してもらえれば幸い」とコメントを寄せる。

 ドローイング作品「浄華」は、大小さまざまなサイズで8作。金色を用いて鳥や花が細密に描かれている。背に建物を乗せているようなオブジェ「魚街」「鳥街」や、挿絵を手掛けた絵本「とりとかめ」、家具や小物を制作する「枯白」とコラボしたローテーブルなど、多彩な作品が並ぶ。

 ウエダさんは1960(昭和35)年、姫路市生まれ。「今年は還暦を迎えるので、記念になる発表をしたい」と意気込んでいたが、コロナ禍で、地元で予定していた個展が延期になった。自宅にこもる日々が続いているというが、「ずっとアトリエで制作して外に出ないことには慣れているし、これまでよりもじっくりと作品と自分に丁寧に向き合える時間を送れているように感じている」。同ギャラリーオーナーは、「これまでよりさらに描き込みが増えているものもある。手にすればそれが伝わり、感激する人も多い」と話す。

 隔年で開催されるウエダさんの展示を心待ちにしているファンも多いが、今回は「遠方なので行けない」という声もあるという。「私たちのようなギャラリーも、作り手も、これまで通りとはいかない。どういう方法がいいのか、模索しながら続けている」と同オーナー。作品には、ウエダさんが学生の頃に作ったという造語「100V happy light presents」の文字が刻まれている。「作品が手元にあることで、心が穏やかになることもある。アートを楽しむ、日々の生活に潤いを与えるというメッセージを伝えていければ」とも。

 作品は販売も行う。カップ=2,970円~、マグカップ=4,510円~など。営業時間は10時~17時。木曜定休。9月27日まで。

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