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松本で陶芸家・ウエダキヨアキさん個展 マイナーチェンジ重ね「新しい世界」を

「いつもどのように展示をしようか考える」とウエダさん。今回は赤をポイントに、ランダムに作品を並べた

「いつもどのように展示をしようか考える」とウエダさん。今回は赤をポイントに、ランダムに作品を並べた

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 陶芸家・ウエダキヨアキさんによる個展「ウエダキヨアキ展VI ウエダキヨアキのしごと」が現在、松本・浅間温泉の「手仕事扱い処(どころ)GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で開催されている。

黒のカップやポット

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 カップや皿、ポットをはじめ、抹茶碗(わん)や茶入れなどの茶道具、オブジェなど約300点を展示する。画家の経歴を持つウエダさんの作品は細かい絵付けが特徴で、多くの色を使ったものや、色のトーンを合わせたもの、単色で描きこまれたものなど、多彩な作品が並ぶ。これまでは描き込まれた作品が多かったが、今回は「余白」があるものも。「なかなか筆の置き時が難しくて。あえて余白を残そうと意識して仕上げた」とウエダさん。

 黒土に黒の釉薬(ゆうやく)を使った器やオブジェは、釉薬自体に金属が入っているが、さらに加えることで輝きを生み出している。「量は感覚で調整しているので、偶然の産物。同じものはできない」

 2年ぶり6回目となる同ギャラリーでの個展。茶道具は、畳敷きの同ギャラリーに合わせて、2013年から取り組み始めた。資料を見たり、来場者と話したことをヒントにしたりしながら、作品の幅を広げている。「お茶をしている方も多く来てくださるので、勉強させてもらっている」。中には、ウエダさんの器をきっかけに茶道を始めたという人もいう。同ギャラリーの瀧沢一以さんは「ウエダさんの器は『私はこう使いたい』という見立てができる。若い方が入門するきっかけになっているのがうれしい」と笑顔を見せる。

 初日の20日には、オープン早々から多くの人が訪れた。作品を手に取ってじっくり眺めたり、ウエダさんと作品について話したり、新しい取り組みに気付いて質問したりする人も。「常にマイナーチェンジを繰り返している。その積み重ねが、新たな世界につながっているのかもしれない」というウエダさん。会期後半(5月4日~)は新たに作品を追加する予定。「これからも、自分の仕事と向き合い、少しずつ変えていければ」とも。

 作品は販売も行う。マグカップ=4,640円~、抹茶碗=5,940円~など。営業時間は10時~18時。木曜・金曜定休。入場無料。5月26日まで。期間中はウエダさんの抹茶碗で呈茶する(一服菓子付き500円、予約不要)。5月26日はウエダさんが在廊予定。

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