![インクを載せてスキージーでゆっくりと広げると印刷できる](https://images.keizai.biz/matsumoto_keizai/headline/1595308381_photo.jpg)
松本市の源池小学校で、児童たちがシルクスクリーンを使ったクラスTシャツ作りを行った。
同校の6年生2クラスで実施。最初に全員が集まって、「Tシャツのどこに刷るかもデザインの一つ」「ボロボロになるまで着て、捨てるところまでが今回の授業」などの説明を聞いた。その後、1クラスずつシルクスクリーン印刷を体験した。
シルクスクリーンは、メッシュ状の版に穴を作り、その部分にインクを落としてプリントする印刷方法。組み立てたフレームに版を張って使う。1組は、「源」の文字と、学校のキャラクターのカッパや校内にある土俵や森を描いたデザイン。青緑色の「ラムネ」と黒のどちらかのインクを選び、Tシャツを広げて印刷する位置を決め、インクを載せてスキージーでゆっくりと広げていく。少しかすれたり、色の濃淡があったりする、シルクスクリーンならではの「味のある」仕上がりに、児童らは満足そうな笑顔を見せていた。
企画したのは、同校学区内にあるデザイン会社「MAGMAG(マグマグ)」(松本市県2)。新型コロナウイルスの影響で、学校行事が縮小・中止になる中、「地域の企業として何かできることはないか」と、同じ学区内の店舗や企業に相談。同社がシルクスリーン事業を手掛けていることもあり、印刷したTシャツをプレゼントすることを考えたという。
同校に提案すると、先生から「授業として取り組みたい」と申し出があり、学区内の店舗や企業から協力金を募って授業が実現。Tシャツを作った後、同じデザインでエコバッグも作って、手紙と一緒に協力店20店に渡すことにした。同社の菊池伸代表は「地域の人たちが支えてくれているということを、子どもたちにも知ってもらえれば」と話す。
今月1日、事前に同社のデザイナーがデザインの授業も行った。児童らはアドバイスをもらいながら、「源池小」というテーマでイラストを作成。皆で描いたイラストを選んだり組み合わせたりして、Tシャツのデザインを各クラス1つに決めた。
同社が運営するシルクスクリーンのワークスペース「magtas(マグタス)」では、コロナ禍で、キットのレンタルが増え、家で楽しむ人が増えたという。店長の大澤奈那子さんは「地域の皆さんの協力があって、このような形で授業ができた。子どもたちにも喜んでもらえて良かった」と話す。