
松本市は現在、中心市街地の市道11路線を対象に、道路空間の利用や保全に取り組む民間団体「市道道路協力団体」を募集している。
2016年4月に改正した道路法に基づく制度で、指定を受けると道路占用の特例が認められ、オープンカフェなどの収益事業も、市と協議して行えるようになる。一方で、道路に関する工事や維持、ベンチなどの設置や管理、緑化や清掃活動にも協力する必要がある。
これまでは、NPOや商店街、町内会などさまざまな民間団体が道路の清掃や花壇の整備などに自発的に取り組んでいたが、近年、歩道のバリアフリー化や安心・安全確保についてのワークショップの実施など、活動の幅が拡大。民間団体と道路管理者が連携することで、民間団体の自発的活動を促進し、地域の実情に合わせた道路管理の充実を図ることを目的に、道路法が改正された。
県内では上田市で2016年12月、国が管理する直轄国道について「上田道と川の駅おとぎの里」が道路協力団体に指定された。現在、国が指定する団体は30ほどあるが、市道について自治体が指定する例はまだ少ない。
対象路線は、伊勢町通りや中町通り、日の出町通りなど、松本駅から昨年オープンしたイオンモール松本(松本市中央4)までの範囲を基準に設定した。先月は、事前相談を受け付け、いくつかの問い合わせが来たという。市建設部維持課管理担当は「駅からイオンモールまで歩く人が増えた。歩くことは健康づくりの第一歩になる。『健康寿命延伸都市・松本』として、道路空間を有効活用したにぎわいが生まれれば」と話す。
応募締め切りは12月7日。問い合わせは同課(TEL 0263-34-3019)まで。