まつもと市民芸術館(松本市深志3)がプロデュースする「TCアルププロジェクト」による公演「人間ども集まれ!2018」が11月30日~12月3日、同館小ホールで行われる。
原作は、1967(昭和42)年~68(同43)年に連載された手塚治虫さんの同名漫画。主人公・天下太平(てんかたいへい)の特殊な精子から製造された、男でも女でもないという第3の性「無性人間」をめぐる物語。人間たちの欲望を満たし、戦争もする便利な道具として重宝され、世界中で数を増やしていく「無性人間」が、やがて自由を求めて反乱を起こす。
2016年に劇作家・翻訳家の木内宏昌さんが脚本・演出を手掛けて初めて舞台化した作品を、今回は大幅に改訂し、「続編的新作」として上演する。出演は、近藤隼さん、武居卓さん、細川貴司さん、下地尚子さんと、今回初参加となる深沢豊さん、草光純太さん、坂本慶介さん。
先月末から本格的な稽古を開始。14日は、クライマックスシーンを中心に、登場人物の気持ちをなぞりながら、せりふの言い方や動きを確認。木内さんやメンバーと話し合いながら、試行錯誤を繰り返した。
台本を最初に手にしたときは、「訳が分からず、皆で3日間かけて読んで話し合った」という。「稽古を重ねることで、分かる瞬間を積み上げている。原作が漫画だが、読み物ではない面白さを発見しなければいけないと思っている」と細川さん。近藤さんは「前回よりも今回のほうが、皆と問い掛け合いながら作っている。見終わった後、面白かっただけではなくいろいろな意見を交わしたくなるような舞台にしたい」と話す。
新たに参加するメンバーは、「前回とは違う切り口なので、もう一つ膨らんだものにしたい。新たに参加するものとして『刺激物』のようになれれば」(草光さん)、「(この中では)最後に入ったので、なじみ過ぎないように心掛けている」(坂本さん)、「今のTCアルプが出せる色を見せたい」(深沢さん)と意欲を見せる。
公演が近づき、町中でポスターを目にすることも増えた。メンバーが掲示を依頼しに回り、現在、100枚以上のポスターが貼ってあるという。「皆さん、協力してくれるだけではなく、僕たちが芝居をやっているということもちゃんと知っていてくれるのがうれしい」と武居さん。下地さんは「新しいメンバーが加わった『TCアルプの芝居』としても楽しめるし、原作を知っている、手塚作品が好きという人にも足を運んでもらえれば」と呼び掛ける。
上演時間は30日=19時~、12月1日~3日=13時~。チケット料金は、前売り=3,000円、18歳以下=2,000円。同館チケットセンター(TEL 0263-33-2200)、チケットぴあなどで取り扱う。1日の上演後には、手塚プロダクション取締役のプランニングプロデューサー・手塚るみ子さんを迎えた「アフタートーク」も行う。