松本・浅間温泉の「手仕事扱い処（どころ）GALLERYゆこもり」（松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066）で現在、陶芸家・長谷川正治さんの個展「いつもの器と小さなオブジェ」が開かれている。

さまざまなシリーズのマグカップ

　皿やマグカップを中心に、花器、オブジェなど400点以上を展示する。長谷川さんの代表作「オレンジと織部」や「ブルーグレーと黒」のほか、新作「夜と月」シリーズも。2年ほど前から作り始めたという、黒と黄色が印象的な同シリーズは、「最初は、黒はどうかなと思っていたが、窯から出したときに絵柄が映えていい感じに仕上がった」と長谷川さん。

　立体オブジェは、板状の粘土を切り分けて作る「タタラ成形」で制作。ロボットのようなものや童話に出てきそうなものなど、愛きょうのあるたたずまいはカチーナ人形やアフリカのお面から影響を受けているという。「ずっと興味はあったが、自分が作るべきものなのか、作るとしたらどのようなものがいいかと考えていた」。手びねりで作る「レスラーブローチ」も新作。「最初はK-1などの写真集を見ることもあるが、リアルさを求めるわけではないので、途中からは見ずに作っている」

　マグカップは各シリーズのほか、しのぎのものなど多彩に用意。「なかなかギリギリにならないと作らないので…これだけの数、われながらよく頑張ったと思う」と笑顔を見せる。

　千葉県富津市で作陶する長谷川さん。妻・松浦唱子さんと共に陶芸教室「enfab」を運営している。同ギャラリーでの展示は、2005年以降、個展・夫婦2人展を合わせて6回目。同ギャラリーの瀧沢一以さんは「常に新しいことに挑戦し続ける長谷川さんなので、いつも楽しみにしている。期間中は、地元のカフェやパン店の菓子やパンと飲み物をセットにして長谷川さんの器で提供するので、使い心地のよさも感じてもらえれば」と話す。

　作品は全て販売する。豆皿、カップ＝2,160円～、立体オブジェ＝7,560円～、時計＝8,640円～など。営業時間は10時～18時。木曜・金曜定休。5月27日まで。同26日・27日は長谷川さんが在廊予定。長谷川さんの器で提供する菓子やパンと飲み物は週替わりで、メニューや金額など詳細はフェイスブックで確認できる。