信州大学の学生が立ち上げた「まつもと空き家プロジェクト」が、松本・北深志に拠点となるコミュニティースペース「ロッピキ」(松本市北深志3)を5月8日、オープンした。
昨年11月にスタートした同プロジェクト。「学生と地域の人々との交流の場を作りたい」と昨年末から空き家の調査を進め、地道に交渉を続けてきた。並行して、塩尻市の「nanoda(なのだ)」で行われたイベントに参加したり、公民館でワークショップを行ったりと、活動内容を広く知ってもらうことにも力を入れてきた。
3月には、以前クリーニング店を営んでいた空き家を借りられることになった。シャッターを塗り替え、土間の壁を抜くなど、メンバーの手で改装し、机やベンチも制作。奥の畳の部屋は、ほぼそのまま使い、タンスや棚の中のものなど「暮らしの名残」が感じられる。現在の運営メンバーは5人の学生。今後は、ご飯会やワークショップの開催や、出張販売所などとして活用する予定だという。
7日には地域の人たちを招いてお披露目会を、8日にはオープニングパーティーを開催。近所の人や学生、イベントで知り合った人たちなど30人以上が参加した。同スペースの名称を「ロッピキ」とすることや募集したロゴを発表。これまでの活動と今後の方針を紹介し、メンバーが用意した数種類のカレーを振る舞った。「私たちにとって今日はゴールではなくて始まり。皆が出入りすることで、つながりが生まれて居場所ができていくと思う」と同プロジェクト代表の同農学部2年・増川千晶さん。
メンバーのうち4人は、4月から2年生になり長野市や伊那市などに移住。同スペースは基本的に毎週土曜・日曜と、イベント時に開けるという。「3月までは皆、松本に住んでいたが、今は週末にしか集まれない。距離はあるが、その分、皆のことを思いやれるようになって、心の距離は縮まったように感じている」と増川さん。「地域のさまざまな世代の人たちが集い、刺激し合えるような場所にしていきたい」と意気込む。
今月は、15日に「朝活!たけのこ汁会」(7時~10時、参加費300円)、28日に「ぶくぶく堂」(14時~17時、同200円~500円)を開催する。営業日時やイベント情報はフェイスブックで確認できる。