松本市のギャラリー「ギャルリ灰月（かいげつ）」（松本市中央2、TEL 0263-38-0022）で現在、織り作家・中島寛子さんによる個展「中島寛子作品展」が開催されている。

繊細な文様が美しいヘリンボーンのストール

　中島さんは神奈川県出身。手紡ぎ・手染め・手織りの作品を制作している。同店での個展開催は3回目。今まではリネンをメーンに展示してきたが、今回は開催時期に合わせてウールを中心に温かい素材を使ったアイテムも展示する。

　店内には、モノトーンや鮮やかなカラーリングのストールやマフラーなど約70点が並ぶ。「ちょっと暗めの色を身に着けることが多い季節なので、差し色になる明るい色のものを作ってもらうように頼んだ」と同店オーナーの滝澤充恵さん。中島さんも今まではモノトーンの作品を多く作っていたという。「（技術的に）染められる色が増えたこともあるが、自分の身の回りでいろいろな変化があったので自然と明るい色を作り出せた。ただ明るいだけでなく『透明感』のある色になるように意識した」と中島さん。

　細かいこだわりが随所に見られる中島さんの作品。同じ色彩や素材でも、柄の間隔や織りの細かさで雰囲気や質感、ボリュームに変化を付けている。男性にも使ってもらえるようにと、今回初めてカシミア混のウールを使用した作品も出展する。「一見無地だがよく見ると模様になっている感じが好き」（中島さん）という、V字形を縦横に連続させた文様が出るヘリンボーンのものが多い。

　「濃い色のものが苦手という人ほど薦めたくなる。身に着けると印象が変わると思うので、ぜひ試してほしい」と滝澤さん。中島さんは「見ても触っても楽しめるような展示を心掛けた。冬のお供にしてもらえたらうれしい」と話す。

　作品はすべて販売する。ストール＝24,150円～、マフラー＝8,400円～、ハンカチ＝4,200円など。営業時間は11時～18時。会期中の定休日は11日。入場無料。11月15日まで。