松本市のギャラリー「ギャルリ灰月(かいげつ)」(松本市中央2、TEL 0263-38-0022)で現在、陶芸家・額賀章夫(ぬかがあきお)さんによる個展「額賀章夫作品展」が開催されている。
額賀さんは東京都出身。大学でテキスタイルデザインを学んだ後に、「1人で生計を立てるならテキスタイルでやっていくのは難しい。でもコツコツとものを作っていきたい」という思いから陶芸の道に入った。父の出身や、親せきのいる場所が茨城県だったことから同県内にある指導所で技術を学び、1993年に独立。1998年に同県笠間市周辺を産地とする「笠間焼」の伝統工芸士に認定された。同店では3回目の個展となる。
額賀さんの作品は茶色や白、黒をベースにした落ち着いた雰囲気。「錆粉引き(さびこひき)」という、錆がかかったような仕上がりのものや、「刷毛目(はけめ)」という化粧土をはけで塗って模様を描く技法を用いたものなど、さまざまなタイプの作品を手がける。「しのぎ」と呼ばれる、側面を削って筋を作る技法を施した作品も出品。テキスタイルデザインの経験から、洋服(プリーツ)に見立てて制作しているという。「今まで『しのぎ』を使った作品は花器だけだったが、今回はそのほかのアイテムにも挑戦してみた」(額賀さん)。
「普段使いできる、飽きのこない、使いやすい作品を作るように心掛けている。手にとって、自分の生活の中に溶け込んでいるイメージを思い描いてもらえたら」と話す額賀さん。今回の個展のために200点以上の作品を制作してきたが、5月30日・31日に行われた「クラフトフェア松本」の影響もあって、現在作品は完売状態に。「うれしいけれど…、残りの期間どうしましょうね(笑)」とはにかんでいた。
作品はすべて販売する。皿=1,575円~、めし碗=2,625円~、湯のみ=2,625円~、花器=5,250円~など。営業時間は、日曜・月曜・火曜=11時~18時30分、木曜・金曜・土曜=10時30分~19時。水曜定休。入場無料。6月7日まで。