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松本・中町通りの「ぬのや旅館」が再オープン 地域の人が集まる旅館に

昨年の夏からリノベーション工事を行い、再オープン。「観光客だけでなく地元の人にも興味を持ってもらえるような、複合的な施設を目指したい」と塩見さん

昨年の夏からリノベーション工事を行い、再オープン。「観光客だけでなく地元の人にも興味を持ってもらえるような、複合的な施設を目指したい」と塩見さん

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 松本・中町通りにある「ぬのや旅館」(松本市中央3、TEL 080-8863-5418)がリニューアルオープンして2カ月が過ぎた。

客室の様子

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 昭和初期から行商人らに「商人宿(あきんどやど)」として親しまれてきた同旅館。建物正面から約37メートルの奥行きがある町屋造りで、1938(昭和13)年に建てられた木造3階建ての本館と2階建ての離れ、大正時代の蔵が立つ。これまで客室として利用されていた本館と、使われていなかった離れ、合わせて12部屋を6部屋にリノベーション。1部屋を広くしてシャワーとトイレを新たに設け、畳を直し、ベッドスペースの床をフローリングにした。オーナーの塩見透さんは「古い部分を生かしながら、快適に泊まれる空間に仕上げた」と話す。

 本館1階の調理場だったスペースには、宿泊客以外も利用できる朝食専門店「note(ノート) matsumoto」が入る。店舗面積は約8坪で、席数はテーブル10席。地元の野菜を使った和食や洋食などを提供する。

 塩見さんは、神戸市出身で信州大学農学部卒。大手電機メーカーなどの勤務を経て、現在は外資系企業で執行役員を務め、白馬村で宿泊施設も経営している。

 昨年8月、高齢となった前オーナーが後継者を探していることを知り、事業継承に名乗り出た。「趣のある建物を多くの人に知ってもらいたい」と、1階のスペースを貸し出すことを決め、インスタグラムで出店者を募集。宿泊客の8割は外国からの旅行客だが、朝食の利用は日本人客がほとんどだという。

 今後も改修を続け、蔵は1棟貸しの客室に、離れの一角は地域の人が利用できる場所にする予定。「古い建物を残し、価値を高める流れが広まれば。観光客だけでなく地元の人にも興味を持ってもらえるような、複合的な施設を目指したい」と力を込める。

 チェックインは15時~、チェックアウトは10時。宿泊料金は素泊まり2万6,000円~。「note matsumoto」の営業時間は7時~9時30分(ラストオーダー)。木曜定休。

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