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松本に古民家宿「三引屋」 歴史ある蔵と民家改装、本格そばで宿泊客もてなす

江戸末期の安政時代に建てられた蔵を改装した客室。天井の棟木には「安政2年」の文字が残されている

江戸末期の安政時代に建てられた蔵を改装した客室。天井の棟木には「安政2年」の文字が残されている

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 古民家宿「蕎麦(そば)と旅籠(はたご) 三引屋(みつびきや)」(松本市中央2、TEL 0263-88-5106)が、松本・中町通り近くに2月3日、オープンした。

食事処

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 店舗面積はおよそ100坪。江戸末期の安政時代に建てられた蔵と、昭和にかけて増築された古民家をリノベーションした。蔵を使った部屋など4室のほか、共有の和室スペースや、浴室、トイレ、食事処(どころ)を用意。宿泊客には、和食を中心としたコース料理や手打ちそばを提供する。

 店主の和田祐太郎さんは横浜市出身。子どもの頃に家族旅行で訪れたペンションでの思い出から、「誰かの記憶に残る仕事をしたい」と考えるようになった。本格料理を提供する宿を開くことを決め、料理の道へ。地元の専門学校卒業後は、そば割烹(かっぽう)の店に就職し、そば打ちの腕を磨いた。その後、東京でも修業を積み、独立。2016(平成28)年、品川区にそば居酒屋「蕎麦と酒 木の花」を開業した。「最終目標は宿だったが、これまでの経験を生かして、一度挑戦したいと思った」と振り返る。

 新型コロナの影響で、和田さんの妻がリモート勤務になったことが「東京にいる必要」を考えるきっかけとなり、妻の実家がある松本市へ移住を決意。2021年12月に店を畳み、宿のオープンに向けて物件を探し始めた。大工として働いたこともあった和田さんは、空き家になっていた古民家に目を付け、交渉。昨年9月、改装に着手した。「古い建物をきれいにすることで、新たな価値を生み出したかった。食事処のカウンターや、入り口などは古材を使って作った」と和田さん。昨年末のプレオープンには、東京にいた頃の常連客を招いて食事を振る舞った。

 今後は、地元の人にも楽しんでもらえるよう、食事のみの利用も予定しているという。「地元の食材を取り入れた料理を作り、松本の魅力を発信していければ」と力を込める。

 チェックインは15時~17時、チェックアウトは10時まで。宿泊料金は1泊2食付き=1万3,000円~。予約はインスタグラムと電話で受け付ける。

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