陶芸、木工、金工の作家によるグループ展「陽(ひ)だまりで」が現在、松本市のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で開催されている。
陶芸家・青木郁美さん、工房kanohi(カノイ)として活動する相馬康二さん・麻織さん夫妻、金工作家・守田詠美さんによるグループ展。合わせて約250点の作品を展示する。
青木さんは松本市内に工房を構え、地元の土や、リンゴの木をまきにして燃やした後の灰を使ったリンゴ灰釉(ゆう)を使って作陶している。同店での展示は3回目。「今回は淡い色合いで季節を表現した」というカップや箸置きには、「東風(こち)」「薄桃」「花弁」など春らしさを感じる名前を付けた。
相馬さん夫妻は、2008(平成20)年に神奈川県から長野市へ移住。テーブルなどオーダー家具を中心に制作している。出品するのは全て新作で、展示タイトルから縁側や窓際、庭などで使えるものをイメージ。3サイズ展開の「八角折敷」、クズの葉を模した「里山カッティングボード」のほか、枠の部分を折り畳める折敷棚や、天板と脚を外して持ち運べるちゃぶ台など受注で作る家具も用意する。
銅を主とした合金の洋白を使ったカトラリーを作る守田さんは、同店に合わせて「お茶の時間」を意識したアイテムをセレクトした。大小さまざまなスプーンやフォークのほか、れんげやバターナイフ、ケーキサーバー、トレーなど多彩な展開。パフェスプーン、ケーキフォーク、ホットケーキナイフと名付けたものもあり、「デザートフォークやスプーンは種類豊富なので比べてほしい」と話す。
青木さんは麻織さんとユニット「一荷(いっか)」として活動。知人の守田さんにも声をかけ、異なる3つの素材のグループ展が実現した。皆でタイトルを決めたり、DM用の写真を撮ったりして準備を進めてきたという。互いのアイテムに合わせたサイズの作品や、青木さんの家にある木を工房kanohiのまきストーブに使い、その灰を釉薬として使った器など、コラボにも取り組んだ。
初出展となる守田さんは、「これまで店に居合わせた方と『作家なんです』という話になることも多かった。ついに作品を見てもらえる日が来てうれしい」と話す。青木さんは「少しずつ日差しの柔らかさを感じる季節。お供となるアイテムを見つけてもらえれば」と笑顔を見せる。
価格は、マグカップ=2,040円~、小皿=1,980円~、プレートスプーン=6,000円、プレートフォーク=8,000円、カッティングボード=2,800円、ちゃぶ台=2万2,000円~など。営業時間は11時~19時。月曜・火曜定休。2月25日まで。