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松本の小正月の伝統行事「三九郎」マップ 場所と点火時間を紹介

「桜橋の上流の2カ所は点火時間が近いので両方楽しめる」と降旗さん(左)、高田さん

「桜橋の上流の2カ所は点火時間が近いので両方楽しめる」と降旗さん(左)、高田さん

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 松本地方の正月明けの風物詩「三九郎(さんくろう)」が行われる場所と時間を紹介するマップが現在、松本市内で配布されている。

女鳥羽川沿いに作られた三九郎

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 三九郎は小正月に行われる火祭りのこと。無病息災を祈り、しめ縄・松飾り・だるまなどを集め、円すい形に積み上げて燃やす。地域によっては「どんど焼き」「左義長」とも呼ばれる行事で、市内の女鳥羽川や薄川沿いの河川敷にはこの時期、各町会の三九郎が作られる。元々は、成人の日だった1月15日に行っていたが、1990年代には各町会の都合で点火日が前後するようになり、成人の日が1月15日から第2月曜に変わった2000(平成12)年以降は各町会が日時を決めて行っている。

 マップでは、1月6日~8日、13日、14日に女鳥羽川沿い14カ所と蚕糸(さんし)記念公園グラウンド3カ所で行われる三九郎の位置と点火時間を掲載。併せて、諸説ある三九郎の呼称の由来なども紹介。東部公民館(松本市女鳥羽1)の降旗一博主事は「千歳橋近くの三九郎は、お城の飾りもあって立派。地域柄が出るのも面白い」と話す。

 制作のきっかけは、2013(平成25)年から同公民館で行われている「まちづくり講座」。女鳥羽川をテーマに植物、地質、歴史などを学ぶ中で、川岸に降りる時として話題になったのが三九郎だったという。「自分の町会以外はいつ行われているのか分からない」「移住者や県外から来た大学生にとってはなじみのない行事」「外国人観光客にうまく説明できない」などの声が上がり、参加者有志でマップを作ることにした。講座に参加していたイラストレーターの高田美果さんがイラストを手がけ、同講座でコーディネーターを務める都市計画家・倉澤聡さんや、同公民館館長をはじめ職員らも協力して2016(平成28)年、第1号を完成させた。

 「マップを見て久しぶりに参加した」という地域の人の声もあり、翌年以降も同公民館の活動の一環として継続。2020年からは、第3地区公民館で開かれた「まゆ玉づくり講習会」と連携し、「まゆ玉レシピ」も載せている。「いろいろな人とつながりが生まれ、伝統行事の楽しさを共有できるのがうれしい」と高田さん。2019(平成31)年には清水小中学校、翌年には源池小学校で全校配布を開始。イオンモール松本(中央4)ではまゆ玉売り場を設けるなど、三九郎を知る機会が増えているという。

 今年はA4判の2つ折りで3000部ほど印刷。東部公民館のほか、中央公民館、市観光情報センターや観光案内所、ゲストハウスなどで配布する。

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