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松本市役所近くにカフェ「アル コーヒー&ベイク」 大正時代の建物改修

店の前が通学路ということもあり、「子どもたちが大人になるまで続く店にしたい」とも

店の前が通学路ということもあり、「子どもたちが大人になるまで続く店にしたい」とも

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 カフェ「aL(アル)coffee & bake」(松本市大手3)が11月1日、松本市役所近くにオープンした。

落ち着いた雰囲気の店内

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 以前は米穀店だったが、長く空いていたという大正後期の建物をリノベーション。田中佑樹さんと風月さんが夫婦で切り盛りする。店舗面積は約12坪。席数はテーブルとカウンターで12席。

 自家焙煎(ばいせん)のコーヒーは浅・中・深いりの3種類。佑樹さんは市内・清水の「koloro(コローロ)coffee」で焙煎の面白さを知ったといい、「通い詰めて、知識も技術もいろいろと教えてもらった」と振り返る。フィルターコーヒー(550円)のほか、カフェラテ(600円)、カフェモカ(650円)などを提供。ほかに、天龍村の「中井侍銘茶」を使った浅蒸し緑茶(600円)や、伊那の「In a daze(イナデイズ)Brewing」のクラフトビールもある。

 スイーツは定番として3種類用意。「ティラミス」(750円)はイタリアンのシェフだという風月さんの父からレシピを受け継いで作っているという。ほかに、固めで滑らかな舌触りとコーヒーに合う味を意識した「プリン」(500円)、現在は中川村のメイヤーレモンを使っているという「レモンケーキ」(450円)。風月さんは「なるべく人の顔が見える、ストーリーを伝えられるものを提供したいと2人でメニューを決めた」と話す。

 開業を決めたのは1年半ほど前。当時、佑樹さんは松本市役所、風月さんは市内の飲食店に勤めており、「店を始めれば一緒にいられる時間が増える。将来を考えたときに、ライフサイクルに『店』が入ってくるといいのではないかと思った」。物件は、佑樹さんの上司が散歩していた時に見つけて教えてくれたという。3月末で市役所を辞め、夏頃から本格的に準備を始めた。

 設計は、隣のキャンドル店「te ao te po(テアオテポ)」など多くの古民家リノベーションを手がける「リスと設計室」(沢村1)の建築家・横山奈津子さんに依頼。カウンターのタイルはイタリア製で、個々の色の違いを生かしたいと目地なく貼った。テーブルは板を切って作り、脚は古道具を活用。ドアも建物と合わせて大正時代のものを選んだ。「解体作業から始め、イチというよりはゼロから作り上げてきたので、とても愛着ある空間になった」と佑樹さん。

 店名はイタリア語で樹木を意味する「albero(アルベロ)」から付けた。「長く愛される、この場所に根差した店、人と人との縁をつなげられる店にしていきたい」と佑樹さん。風月さんは「席数が限られ、お待たせすることもあって心苦しいが、皆さんにとってゆっくりできる、居心地いい空間になれば」と笑顔を見せる。

 営業時間は8時~17時。水曜・木曜定休(11月21日は休業、23日は営業)。

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