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塩尻で地域型インパクト投資プログラム「DIVE」 事業進める「次の一手」に

昨年11月に開催した「スナバで車座」の様子

昨年11月に開催した「スナバで車座」の様子

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 塩尻市が「地域型インパクト投資」の機会を提供するプログラム「DIVE」の参加者を現在、募集している。

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 地域型インパクト投資は、社会・環境課題の解決を図るとともに、経済的な利益を追求するもの。同市では昨年7月、「ゼブラアンドカンパニー」(東京都港区)と協働し、社会起業家の支援を行うための共同実証を始めた。初年度は、シビック・イノベーション拠点「スナバ」(塩尻市大門八番町)のメンバーから5人を選出し、同拠点が伴走支援を行った。11月には、インパクト投資家や地域事業者を招いたイベント「スナバで車座」を開催し、「目指したい未来」について発表。投資家と起業家のマッチングや、起業家を支えるコミュニティー形成を進めてきた。

 本年度は、6月からおよそ半年かけて、全7回のセッションを予定。事業計画書の書き方をはじめ、「セオリーオブチェンジ」や「ユニットエコノミクス」などを通じて、社会的インパクトや変化のプロセス、財務計画などについて学ぶ。セッションは、同拠点とゼブラアンドカンパニーがチームを組んで伴走支援し、最終回は「スナバで車座」を行う。

 参加対象は、社会的にポジティブなインパクトを出すために自ら事業を進めている人。同拠点運営チームの塩尻市振興公社シニアマネージャー・三枝大祐さんは「事業を立ち上げ、継続的なキャッシュを得られるようなビジネスモデルが見え始めている人を想定している。事業拡大に向け、人的リソースの確保や資金調達先を検討している人の『次の一手』となる支援をしたい」と話す。

 塩尻市では2020年度、新型コロナの影響で事業継続のために新たなビジネスモデルを構築する補助金を立ち上げ、費用の一部を助成した。企画に携わった三枝さんは「予算が限られる補助金とは異なる方法で、地域課題の解決につながる事業の支援ができないか考えていた時に、地域型インパクト投資を知った。起業家にとって、補助金や融資、クラウドファンディング以外の資金調達の選択肢になると感じた」と振り返る。

 昨年度は、投資案件にはつながらなかったが、イベントを機に事業を進める人や、出会った投資家と継続的に「事業の壁打ち」を行っている人もいるという。「資金のことだけではなく、今後、さまざまな面で役に立つことが学べたという声が多かった。説明会もあるので、ちょっとでも関心がある人は気軽に参加してほしい」と呼びかける。

 募集締め切りは5月21日。説明会は12日15時~19時30分。参加費は1,000円。申し込みはウェブで受け付ける。

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