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松本・あがたの森公園で「ゼロカーボン演劇」 上演は「フル充電でき次第」

4日の公演の様子

4日の公演の様子

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 劇団「野らぼう」が現在、第7回公演「ロレンスの雲」を松本・あがたの森公園(松本市県3)の芝生広場東側で上演している。

充電した電力がなくなったカーテンコール

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 昨秋上演した前作に続き、「ロミオとジュリエット」をベースにしたオリジナル作品。くずおか由衣さん、成田明加さん、深沢豊さんの役者3人と、それぞれが操る人形が畳みかけるように語りかけ、情熱的な恋愛を描く。

 「ゼロカーボン演劇・限られた電力編」と銘打ち、照明や音響など上演に必要な電力は、太陽光発電で賄う。市内筑摩にある稽古場の屋根に設置したソーラーパネルで、出力2000ワットのモバイルバッテリーを充電。満タンになったら上演するため、公演日は変則的。屋根付きの観客席を設け、雨天でも開催する(荒天中止)。初日の4月1日は、カーテンコールで電力がなくなったという。脚本・演出を手がける前田斜めさんは「晴天が続けば3日ほどでフル充電できるが、曇りや雨が続くとどうなるか分からない。未知の世界だが、その時々、試行錯誤しながらやっていければ」と話す。

 2回目の上演となった4日は、クライマックスで電力がなくなり、最後の5分は役者自身が手動発電のライトを手で回してやり切った。カーテンコールでも自らを照らしながらあいさつ。観客席からは笑いと拍手が起こった。

 「月明かりや風の音などを感じられるのが野外劇の醍醐味(だいごみ)。電力がなくなることも含めて、自然の演出を楽しんでもらえれば」とくずおかさん。成田さんは「こんなに日照率を気にしながら過ごす1カ月はないと思う」と笑顔を見せる。同劇団に初めて参加する深沢さんは「2人とは以前、ワークショップなどで一緒に演じたことはあるが、野外ということもあって新鮮で面白い」と話す。

 同公園では4月30日までの期間、充電でき次第上演する。前田さんは「実際に始めてみると、何か大きなものに突き動かされているような感じがする。これまで感じたことのない1カ月をしっかり味わいたい」と意気込む。

 開演時間は20時。料金は一般=2,000円、中高大学生=1,000円、小学生=500円(いずれもリピート割あり)。充電の状況と公演日はウェブサイトで確認できる。5月21日は東京・調布、同27日は上田市の海野町商店街内「犀の角」、6月4日は福島・西会津でも上演する。

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