中部山岳国立公園南部地域を挟んだ松本市と岐阜県高山市をつなぐ「松本高山BigBridge(ビッグブリッジ)」構想の実現を目指すプロジェクトチームが12月17日、中高生を対象にした「未来への架け橋」プログラムを松本市内で開いた。主催は環境省中部山岳国立公園管理事務所。
松本・高山両市と東京から、小学4年生~高校3年生の11人が参加。「私たちのまちが世界中の人たちから選ばれるための“はじめの一歩”」と題して、市街地の散策、トークセッション、ワークショップを行った。
市街地の散策は、都市計画家・倉澤聡さんの案内で、松本城から縄手通り、中町通りなどを歩いた。トークセッションは、同プロジェクトPR大使の山村咲稀さん、アウトドア専門誌「ランドネ」編集長の佐藤泰那さん、日本航空の客室乗務員・佐藤寿子さん、機長・西田哲郎さんが登壇。両市の観光地としての魅力や、観光資源保護の先進地域としてハワイの事例を紹介した。
その後のワークショップでは、「環境を守るためにできること」「松本高山の魅力を世界中の方に伝えていくためにできること」の2つの軸で各自が考えたことを発表。「湧き水やクラフト、歴史など今あるものを、観光で活用することができれば、環境を守ることにもつながる」、「たくさんある魅力をそれぞれではなく、水と食、歴史と町並みというようにつなげて発信する」という意見のほか、「松本や高山の木工職人が作った木製のボトルに湧き水を入れたものをお土産にする」など、具体的なアイデアも寄せられた。
両市は2021年8月、乗鞍岳畳平で姉妹都市提携50周年記念式典を開催。観光エリアとしてさらに発展させるという共同宣言に両市長が署名した。一体的な地域ブランディングを広めようと、地域資源の洗い出しや長期滞在ルート開発などに取り組むほか、分科会やモニタツアーなどを行っている。同事務所国立公園利用企画官の笠井大介さんは「発案はできることの第一歩。今後実現できるようなことをサポートしていきたい。大人だけではなく子どもたちも巻き込んで裾野を広げ、交流人口の拡大にもつなげていければ」と話す。