松本・縄手通りのベーカリー&カフェ「スイート縄手本店」(松本市大手4、TEL 0263-32-5300)が2月28日、長野県産小麦を使ったパンにメニューを一新して、営業を再開した。
昨年10月から休業していた同店。渡辺匡太社長は「新たに塩尻店ができ、スタッフがヘルプに行くのに合わせて、本店のコンセプトを見直そうと思った」と話す。以前は、総菜系やスイーツ系など幅広いパンを並べていたが、コロナ禍で客足が読めずにロスを出したり、早くに売り切れたりすることが増えたこともあり、「街のパン屋」としてのあり方を模索。その一つの答えとして、長野県産小麦100%のパンを作ることに決めた。「15年ほど前までは、県産の小麦は製パンに向いていないと感じていた。徐々に使うようになってきていたが、メインにはしていなかったので、100%にこだわってやってみようと思った」と渡辺さん。
製造するパンは5種類。そのうち食パンは3種類で、県産の小麦と全粒粉を7対3の割合で配合し湯種製法で作る「穂(ほまれ)」、地元産のクリームチーズを練り込んだ「颯(はやて)」(以上1本580円、ハーフ290円)、ブリオッシュで甘みを感じる「雅(みやび)」(1本980円、ハーフ490円)。ほかに、グラム単位で販売するカンパーニュ「源(げん)」や、手仕込みで作るバゲット「輝(ひかる)」(308円)がある。
店内では5種類のパンの特徴を生かしたメニューを、ドリンクとセット(690円)で提供。ツナやキュウリなどを挟んだ「穂ミックスサンド」、わさびマヨネーズを使った「源BLTホットサンド」、ふんわりした食感の「雅フレンチトースト」などを用意する。
同店は、1913(大正2)年に米シアトルで開業した創業者が帰国し、1924(大正13)年にオープン。店内には創業間もない頃の写真や、当時使っていた照明なども飾る。営業再開に合わせて、レトロな雰囲気のデザインでメニュー表などもそろえた。「他店とは違うことを本店ではやっていきたい。地元産の食材に目を向けるきっかけになれば」と意気込む。
営業時間は10時~16時。日曜・月曜定休。