陶芸作家・イラストレーターの金井三和さんとsubaco(スバコ)さんによる展示「祈りに似た気持ち」が現在、松本・蟻ヶ崎の「実家カフェ」(松本市蟻ヶ崎3、TEL 070-6985-4111)で開催されている。
金井さんが用意した小さな「お守り」は2種類。おがくず粘土を使ったタイプは、鳥や動物のほか、ハート、宇宙人のような形など多彩で、小袋とセットにして気軽に持ち歩けるようにした。円柱の漆の器に入ったタイプは、底に綿を敷き、中央に陶製の人形を置く。切り絵を貼ったマッチ箱もあり、「マッチ売りの少女は一つのマッチに想いをたくしました」というコメントを添える。
subacoさんは大小さまざまなサイズのヒンメリを出品する。シンプルなもののほか、タッセルやボンボンと組み合わせて温かい印象に仕上げたものもある。同店の今西孝恵さんは「うちの雰囲気に合わせて、少し遊び心を感じる作品にしてもらった」と話す。
企画展の開催は約3年ぶり。新型コロナの影響で、カフェでの展示やイベントのほか、外国人観光客の利用が主だったゲストハウス営業もいったん休止することになったが、空いた時間を活用して近郊で援農を始めたという。「以前からもっと関わりたいと思っていたことだったので、逆に楽しくて」と今西さん。野菜や果物を使った新たなメニューも開発し、提供するようになった。
「企画展を再開させたい」と思い始めた昨年夏ごろ、常連客でもあるsubacoさんのインスタグラムの投稿が目に留まった。「黙って手を動かしていると、意識しなくても祈りに似た気持ちになることがある」という思いに、アパレルニットデザイナーとして働いていた経験を持つ今西さんも共感。subacoさんとも面識がある金井さんにも声を掛け、同展が実現した。
期間中は、「幸せのタルトタタン」がメニューに登場することもあるという。「年が明けてまだ寒い時期だが、温かい気持ちになれるものが集まった。心穏やかに過ごせる日々を共にできるアイテムを見つけてもらえれば」と今西さんは呼び掛ける。
価格は、マッチ箱=600円、袋付きお守り=1,700円、漆器入りお守り=2,000円、ヒンメリ=1,500円~など。営業時間は11時~17時。会期中は木曜・金曜定休。2月22日まで。