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「松本民芸家具」で後継者育成インターンシップ 若者と工房つなぎ、手仕事残す

2日目に行われた商品開発・企画のプレゼンの様子

2日目に行われた商品開発・企画のプレゼンの様子

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 国の伝統的工芸品「松本家具」を手掛ける「松本民芸家具」(松本市中央4)で、後継者を育成するインターンシップが1月31日・2月1日に行われた。

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 約40人の応募の中から選ばれた学生や社会人6人が参加。初日は、中町にある「中央民芸ショールーム」(中央3)で、製品のラインアップや販売の様子を見学。塗装や研磨作業を体験したり、座談会で職人と交流したりして、製品や製造について理解を深めた。

 2日目は、商品開発やPRの企画について考える個人ワークと並行して、1人ずつ面談を実施。その後、企画を発表した。「本と家具は相性がいいので、書店で展示販売会を開きたい」という提案には、池田素民常務が「ちょうど本と組み合わせた企画をしたいと考えていたので驚いた」とコメント。椅子に座ったときの感覚をヒントに、「手のひらサイズの小物を作りたい」という提案には、「技術の中で『削り』に特化したものを作るというのは今までなかった視点」「工芸である以上、癒やしだけではなく何かに使える道具としての機能を持たせたい」というアドバイスもあった。ほかに、マルシェと組み合わせたワークショップやサブスクリプションなど、若い世代ならではのアイデアも。技術面や会社としての考え方なども交えたフィードバックを得て、企画をブラッシュアップする時間となった。

 インターンシップは県内の伝統的工芸品産業の後継者支援事業として県が主催し、日本文化や職人の技術を伝える動画メディアを手掛ける「ニッポン手仕事図鑑」(東京都中央区)が運営。本年度はほかに「信州鋸(のこぎり)」や「伊那紬(つむぎ)」、木曽漆器などでも実施し、反応も良いという。同社プランナー・ウェブディレクターの花田薫さんは「工房を知る機会が少ないことが、後継者問題における課題の一つ。募集をすれば定員の何倍もの応募があり、関心ある若者は多い」と話す。

 2年前に同社がインターンシップツアーを開催した時は周知が目的だったが、今回は商品企画をメインとした企画営業担当者の雇用を目指す。今後は、今回の参加者の中から選考して2回目のインターンシップを行う予定。「手仕事に興味のある人や、職人を目指している人と、産地・工房をつないでいければ」とも。

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