発酵食品を使った料理を提供するフードトラック「発酵食堂Tsumugi(つむぎ)」が安曇野の「ザ・ビッグ三郷店」近くで営業を始め1カ月が過ぎた。
自家製の発酵調味料と発酵食品、スパイス、ハーブなどを使った料理を提供する同店。米や野菜、果物も無農薬や減農薬の地元産。店主の上田絢香さんは「生まれ育ったこの場所でつくられたものを積極的に使っていきたい」と話す。フードトラックは今年6月に購入。夫の隆友さんも協力して、カーキ色に塗装したり、レトロな壁紙を貼ったりして改装した。
自家製の甘酒や塩こうじとヨーグルトに漬けた鶏肉を入れた「スパイスカリー」(1,026円)は、「辛味のないスパイスを使い、親子で同じものを楽しめるように仕上げた」と絢香さん。辛くしたいときは、自家製のガラムマサラで調整できる。「世界の発酵ごはん」は月替わりで、現在は「みそ粕(かす)ルーローハン」(1,080円)。みそを仕込む際に一緒に漬けた酒かすで、深みとコクを出した。台湾などの屋台で定番だという「みそダレ葱油餅(ツォンヨウピン)」(270円)もある。
ドリンクは、定番2種類と旬の果物を使ったものを用意する。数種類のスパイスを使った「ポリチャイ瓶」(378円)は、駅弁と一緒に販売するお茶でなじみのある「ポリ茶瓶」と呼ばれる容器に入れ、次回以降、容器を持参すると50円引きにする。「みそショコラカフェラテ」(594円)は、みそとココアパウダーのソースと8時間かけて抽出したコーヒーを合わせた。
高校時代に料理部の部長を務めたほど料理好きだという絢香さん。いずれは店を持ちたいという思いがずっとあったという。結婚後、友人から「料理を教えてほしい」と言われたことがきっかけで、自宅で教室を開くようになった。友人の後押しもあり、料理教室やイベント出店での開業を視野に入れて、発酵食スペシャリストやフードスタイリストなどの資格を取得。自宅内に工房スペースを新たに設け、本格的な活動を始めた直後、コロナ禍に見舞われた。教室やイベントの開催が難しくなる中、以前から興味があったフードトラックを検討。「子どもが小さいこともあり、自宅の敷地内での営業とイベント出店、臨機応変に対応できると思って決めた」と振り返る。
隆友さんもこれまでの仕事を辞めて、今月25日から夫婦2人で切り盛りしている。「家族で過ごす時間も増えるのでいずれはと思っていたが、改装するうちに愛着が湧いてきて、予定より早く一緒に始めることにした」と隆友さん。今後は、イベント出店も増やしていきたいという。絢香さんは「いろいろな人に知ってもらいながら、地域に根付いた店にしていきたい」と意気込む。
営業時間は11時~14時30分(売り切れ次第終了)。日曜・月曜定休。10月は安曇野市役所や信毎メディアガーデンで出店を予定する。スケジュールはインスタグラムで確認できる。