花をテーマに北欧のビンテージアイテムを集めた企画展「Flora-北欧のフラワーデザインと器と-」が現在、松本・駅前大通り沿いの北欧ビンテージ食器とデザイン雑貨店「kirsikka(キルシッカ)」(松本市深志3、TEL 0263-88-8208)で開催されている。「工芸の五月」の一環。
1950~70年代の皿やカップ&ソーサ―、ポットなど食器をメインに、花器、ウオールプレートなど100点以上を用意する。フィンランドの陶器メーカー「ARABIA(アラビア)」のボタニカシリーズは国内に生息する植物をデザインしたもの。ウオールプレートは、裏面に小さな穴が開いていて、壁に掛けられるようになっている。店主の落合克則さんは「北欧は冬が長く、家で過ごす時間も長い。自然がそばにあるように、部屋が明るくなるようにと、花モチーフが愛用されている」と話す。
スウェーデンの植物学者・植物画家のカール・アクセル・マグヌス・リンドマンが描いた植物図鑑「Bilder ur Nordens Flora(北欧の植物図)」は、額装したリトグラフのほか、実際の図鑑も展示する。ほかに、アラビア定番の小花模様「Faenza(ファエンツァ)」シリーズや、スウェーデンのシルヴィア・レウコヴィウスが手掛けた大皿やプレートなども。
全国各地の北欧関連のイベントによく参加していた同店だが、コロナ禍でほとんどが中止になった。例年、現地で買い付けも行っていたが、昨年は見合わせていたという。しかし、ストックが少なくなり、「ビジネスを継続するためには、対策を取りながら仕入れをしなければいけない」と、現地の人と相談しながら時期を検討し、年明けにフィンランドに出向いた。「自分たちで見て、手に取って、選んだものを紹介できることのありがたさと大切さをあらためて感じた」。帰国後、2週間の待機期間を経て、店舗の営業を再開した。
昨年は「工芸の五月」が中止・延期になり、「次に開催できるなら、花をテーマにしたい」と考えていたという。「私たちの日常はこの1年で様変わりしたが、自然は変わらず、季節が巡れば花は咲く。変わらない美しさに触れてもらうことで、少しでも明るく、優しい気持ちになってもらえれば」とも。
価格は、ウオールプレート=8,800円~、リトグラフ(額入り)=4,400円など。営業時間は11時~19時。火曜・水曜定休。5月30日まで。