コミュニティースペース「城町文庫」(松本市開智1)が3月30日、国宝松本城北側、開智小学校近くにオープンした。
店舗面積は約10坪。土間と軒先はギャラリースペースとして貸し出し、アクセサリーや陶芸などクラフト作品や、野菜などの展示や販売に無料で出店できる。奥の小上がりはコミュニティースペースとして、現在は主に無人で営業しており、セルフレジの形式で料金は30分=200円、2時間=500円、1日=1,000円。
開智小学校の卒業生で、周辺エリアに幼い頃から親しんできたという藤木大介さんが妻と経営する。松本城と旧開智学校校舎という2つの国宝があるという場所を活用することで、地域活性化につなげたいと昨秋、しばらく空き店舗となっていたこの場所を借りることにした。昼間は行政書士として働いているため、無人でできる方法を全国の事例から探したという。「無人の古本屋」をヒントに、当初は自身の趣味でもある城や洋館のコミュニティーをつくろうとしたが、コロナ禍ということもあり、「特定のコミュニティーをつくることで広く集客するよりも、地元の人が興味を持てるような幅広いコンテンツがあった方がいいのでは」と考え、自由に使える空間にすることにした。
21日には、チョークアートのワークショップを実施。下絵が付いているボードを用いて、塗り絵をする感覚で作成した。「作家と参加者が交流しつつ、ものづくりを楽しめたと思う」と藤木さん。
今後は、有人の時間帯を増やし、さまざまなイベントを行っていきたいという。「今はまだ落ち着かない状況だが、感染症対策しながら取り組んでいきたい」。大学生から問い合わせがあり、一緒に活用方法を検討するなど、現在複数の企画が進んでいる。「学生の発表の場や、クラフト作家のアトリエや教室、小さなビジネスの拠点など、実際にオープンして『場の可能性』を実感している。どんな展開が生まれるのかとても楽しみ」とも。
営業時間は9時~23時。30日14時~16時には「海外に行けない今だからこそ海外を感じてみませんか?」と題したトークイベントを開催する。参加費は500円(コーヒー1杯付き)。