松本市は、スーパーシティ構想の応募に向けた市民説明会を1月17日、オンラインで開催した。
市が策定を進める2021年度からの次期総合計画のうち、「松本市基本構想2030」では、人口減少社会においても持続可能な、地域特性を最大限に生かした松本らしい循環型社会を追求し、そのための視点の一つをテクノロジーとしている。実現のためには「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が必要不可欠とし、「DXで目指す松本のまち」を5つの方向性に整理。そのうち2つは規制緩和が必要なため、地域を限定して従来の規制を大幅に緩める「国家戦略特区(スーパーシティ型)」への申請に向けて準備を進めている。
説明会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて急きょオンラインで実施。デジタル化を担当する宮之本伸副市長が、「DXで目指す松本のまち」の概要について紹介した。
規制緩和が必要となる「松本版PHR(個人の健康情報記録)でつなぐ医療・福祉・健康づくり」については、複数の医療機関などにまたがっている情報をデータ連携することで、医療費や待ち時間の軽減、児童虐待などの早期発見につながるとメリットを挙げた。デメリットとされる個人情報の漏洩リスクについては、「データ自体は元のシステムの中にあり、必要なときにそれぞれのデータを流通する」と説明した。
もう一つの「100%カーボンニュートラル」については、現在、安曇・奈川地域の電力が水力発電でまかなわれていることに触れ、「小水力、地熱発電などを加えて市内全域に拡大したい」と話した。「恵まれた晴天率と自然資源を活用していきたい。災害に強いまちづくりにもつながる」とも。
後半は、質疑応答の時間を設けた。「国家戦略特区」として選定されるのは5団体程度で、「選定されなかった場合はどうするか?」という質問には、「残り3つを進めると共に、今日説明した2つについても、現行の法の枠組みでできる範囲のことをやっていきたい」と回答。「まず、市役所のデジタル化を」という指摘には「その通りだと思う。行政業務のデジタル化も進めていきたい」とした。最後に宮之本副市長は、「今回はオンラインだったが、状況が変わり次第、直接意見のキャッチボールをしたい」と呼び掛けた。
動画はユーチューブの松本市公式チャンネルで視聴できる。今後は、19日と27日に予定していた市民説明会をオンラインで開催。説明は同様のものになるが、視聴者からの質問にはその場で回答する。その後も順次市民説明会を開催。2月7日まではパブリックコメントも実施している。