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松本・大手で「不要不急の端材展」 7人の作家、端材の可能性広がる作品

7人の作家の、制作工程で出る端材を活用した作品を紹介

7人の作家の、制作工程で出る端材を活用した作品を紹介

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 制作過程で出る不要な端材の活用について考える企画展「不要不急の端材展」が現在、松本・大手の「List(リスト)」(松本市大手5)2階の「栞日(しおりび)分室」(TEL 0263-50-5967)で開催されている。「工芸の五月in autumn」の一環。

真ちゅうや洋白の板や輪を組み合わせて制作したモビール

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 県内で活動する7人の作家が、制作工程で出る端材を活用した作品を紹介する。伊那市にある「美篶(みすず)堂」の製本所で工場長を務める小泉翔さんは、製本時に出る端材を使った「紙束(かみたば)」のシリーズを制作。細かく切りそろえて束にして作ったアクセサリーや一輪挿し、オブジェなどを用意する。陶芸家の田中一光さんは、焼け損じてひびが入ったり欠けたりしたカップなどのほか、釉薬(ゆうやく)のテストピースを展示。焼け損じたものは再利用が難しく、田中さんは「個人として果たして何ができるだろうか?常々思いを巡らせている」とコメントを寄せる。

 松川村に工房「Forest shoemaker」を構える松下宏樹さんは、かかとを作る際に出る革の切れ端を重ねて固めた、不思議な質感のオブジェを出品。廃棄物となってしまう端材に頭を悩ませているという金工作家・守田詠美さんは真ちゅうや洋白の板や輪を組み合わせて制作したモビールを展示。ある日思い立って勢いで作ったもので、普段は部屋に飾っているという。

 守田さんのモビールをヒントに、展示の企画が生まれた。工芸の五月実行委員会事務局の北原沙知子さんは「このモビールを多くの人に見てほしい、知ってほしいというのが発端。素材によってどんな端材が出るのか、そしてどのような表現があるのかを紹介したかった」と話す。紙、陶器、皮革、金属のほか、ガラスは池内康祐さん、木工は柏木圭さん、染織は谷口みかささんに声を掛けた。

 コロナ禍で叫ばれた「不要不急」だが、「必要と不要の境界はどこにあるのか。誰がジャッジするのか」という問い掛けでもあるという。「この時期だからこそできた展示。作家の皆さんの素材との向き合い方や目線が伝わると思う。普段、『物』として見ている器やアクセサリーなどを、『素材』として見るきっかけになれば」と北原さん。

 作品は一部購入できる。価格は、「紙束」一輪挿し=1,000円など。営業時間は11時~17時。月曜~水曜定休(11月23日は営業)。11月23日まで。

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