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松本市美術館で「ミュシャ」展 バックボーンから現代への影響まで、時代超えて

展示の様子

展示の様子

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 アール・ヌーボーの時代を代表するアルフォンス・ミュシャの特別展「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ-線の魔術」が現在、松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で開催されている。

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 ミュシャ(1860~1939)はチェコ出身の芸術家。「線の魔術」ともいえる繊細で華やかな植物模様や女性像は、後世のアーティストにも大きな影響を与えている。同展では、ミュシャが手掛けたポスターなどグラフィック作品を中心に、幼少期の作品や蔵書のほか、ミュシャ風のタッチが色濃い明治期の文芸誌や、イギリス・アメリカのグラフィック・アート作品、日本の漫画家・イラストレーターの作品など約250点を展示する。

 第1章は、「ミュシャ様式」につながる要素を、ミュシャのコレクションや蔵書、写真資料などで振り返る。第2章は、挿絵を「美術作品」とみなして制作していたというミュシャのアカデミックな手順と手法を、ポーズを取るモデルの写真や、習作などと共に紹介する。

 第3章は、ミュシャがポスター作家として知られるきっかけとなったサラ・ベルナールのポスター「ジスモンダ」をはじめ、等身大の縦長ポスターを展示。エレガントな女性の姿に花などの装飾モチーフを組み合わせて、曲線や円を多用しながら構築された独特な構図の形式「ミュシャ様式」が成立していく過程や、ミュシャのデザイン理論を検証する。

 続く2つの章は、ミュシャに影響を受けた後世のアートワークが並ぶ。第4章では、1963(昭和38)年、ロンドンでの回顧展で再評価された後に生まれた、ロックのアルバムジャケットやポスター、アメリカンコミックスなど。第5章では、花郁悠紀子さんや松苗あけみさん、出渕裕さんら日本の漫画家やイラストレーター、ゲームクリエーターがコメントを寄せている。

 昨年、東京から始まった巡回展。新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、マスク着用や、検温、手指消毒を求めるほか、グッズ販売は通常のショップの奥に設けた特設会場で行う。同館学芸員の大島浩さんは「時がたっても変わらない魅力がある。この時期に向き合うと、心和む作品だと思うので、足を運んでもらえれば」と話す。

 開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,500円、大学生、高校生=1,000円、中学生以下無料。月曜休館(11月2日、23日は開館)。11月29日まで。チェコ・アニメーションの上映会(10月3日・4日)や、オフィシャルサポーター・山田五郎さんによる講演会(同8日)、学芸員による学芸講座(11月5日)などの関連プログラムも用意する。

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