野外人形劇団「のらぼう」が現在、人形劇「あの日から彼は私のことをしげると呼ぶようになった」を松本・あがたの森公園(松本市県3)で上演している。
園内にテント風の構造物を設置。客席側に飛沫(ひまつ)感染防止のビニールシートを張って上演する。主人公は高校生・ナオミ。「しげる」と呼ばれることで日常が少しずつ揺らいでいく様子を描く。
客席背後には巨大人形「サミュエル」が、観客と一緒に見つめるように座る。昼間の暑さも和らぎ、ときどき涼しい風が吹く中、観客はコミカルな人形の動きに笑ったり、せりふに聞き入ったりしていた。上演時間は約30分。
「のらぼう」は、松本市内で演劇や舞台などを志す、前田斜めさん、水野安実さん、成田明加さんの3人が2018(平成30)年11月に結成。テント劇場での公演を目指している。昨年10月、同公園で「帰り道」を上演した。「サミュエル」はその際に登場した人形。
同作品は当初、5月に予定していたという。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、「何か対策をしなければいけない」「今まで通りでは面白くない」と対応を検討。ビニールシートはさまざまなタイプを試して、透明過ぎず、照明の反射を抑えたものを選んだ。客席のベンチには人形を置き、ソーシャルディスタンスを意識してもらうようにしている。「脚本は以前から出来上がっていたので、『上演の仕方』だけ考えた」と成田さんは話す。
客席には子どもの姿も見られた。「子ども向けの芝居というわけではないが、楽しんでくれる子も多い」と成田さん。今週後半は雨予報の日も多いが、「客席には屋根がないので、準備をしてきてもらえれば」と呼び掛ける。
開始時間は20時。投げ銭制。6月13日まで。雨天決行、荒天中止。開催情報はツイッターで確認できる。6月20日には下諏訪町の「Cafe' Tac」で県内在住者限定、予約制で開催する。