ワインとおつまみの店「ARERO(アペロ)」(松本市中央1、TEL 0263-30-8558)が松本・こまくさ通り沿いの樹ビル2階にオープンして1カ月半が過ぎた。
店舗面積は約12坪。席数はカウンターとテーブル合わせて18席。以前、和食店だったという店舗を居抜きで使用。壁紙を張り替え、ステンドグラスやタイルを使い、落ち着いた空間に仕上げた。店主でソムリエの小日向健さんは「着物にブーツを合わせるようなレトロな感じをイメージしながら、もともとあったくつろげる雰囲気を残した」と話す。
コンセプトは「気軽にワインを楽しめる店」。ワインは、アメリカやニュージーランド、オーストラリアなど「新世界(ニューワールド)」と呼ばれるものが中心で、グラスは580円~、ボトルは5,000円前後がメイン。「2,000円台の手頃な価格帯のものもある。今後はよりメリハリあるラインアップにしていきたい」と小日向さん。ワイン以外にも、ビール、ハイボール、焼酎、サワー、ウイスキーなど幅広く取りそろえ、カクテルやノンアルコールも多数用意する。
ワインに合うものが中心のメニューは、ピクルスやマリネ、スペイン産生ハム、フライドポテト、サイコロステーキなど。パスタやピザ、スイーツなども提供する。現在はメニュー数を減らしているが、状況を見ながら、増やしていく予定だという。
小日向さんは大町市出身。東京のホテルでバーテンダーとして働いた後、2016(平成28)年12月にUターン。翌年3月から約2年半、松本市内のバルに勤務した。「高校時代に過ごした松本で、いずれは自分の店を持ちたいと思っていた」と振り返る。
今年3月から店の改修を始め、準備を進めてきた。オープンした4月7日に、緊急事態宣言が発令。テークアウトメニューを中心にした営業をしながら、期限付き酒販免許も取得し、アルコール類の持ち帰りにも対応した。「新型コロナウイルスの影響で、飲食店のあり方も今後、変わってくると思う。新しい店だからこそ、柔軟に対応していきたい」と前向きに捉える。
店名は食前酒を意味する「アペリティフ」の略語。「ヨーロッパでは、夕方に仕事を終えて、軽く一杯飲んで家に帰る。県産ワインの評価も高いので、そういうワインを楽しむ文化が地域に根付けば」と小日向さん。「特に若い世代に、もっと気軽にお酒を楽しんでもらいたい。いろいろなお酒があることを知ってもらって、お酒を楽しむ文化を広げたい」とも。
営業時間は、18時~24時。月曜定休。