塩尻市が副業限定で募集していた、特任最高マーケティング責任者(CMO)と最高人事責任者(CHRO)が決まり、1月22日、シビック・イノベーション拠点「スナバ」(塩尻市大門八番町1)でキックオフミーティングが行われた。
地方創生を担うプロジェクトに参画し、地域の課題解決を目指す重要なポジションとして、昨年11月に募集。首都圏を中心に合わせて103人からの応募があった。いずれも稼働は月4日以内で、契約は3月末まで。
CMOは「地域ブランド」確立のために、プロモーションを視野に入れたブランド戦略の立案を行う。就任したボルボ・カー・ジャパン(東京)シニアディレクターの関口憲義さんは、マーケティングとブランディングに長年携わり、広告代理店に勤務した経験も持つ。事前に日帰りで塩尻を訪れ、「スナバやえんぱーくなどの施設、ワイナリー、奈良井宿など、素晴らしいコンテンツを生かし切れていない。誰に何を伝えるかを明確にして、先を見据えたロードマップ的なものを作れれば」と話す。
CHROの業務は、中小企業の雇用創出、人材獲得の課題解決のための採用戦略・戦術に対するアドバイス。就任したカフェ・カンパニー(東京)取締役の田口弦矢さんは、人事系の企業の顧問や、スタートアップ企業の立ち上げを手掛けてきた。「地方に仕事をつくる仕組みを整えたい。そこに行ってみたいというワクワク感と、生活できるという安心感が大事。今あるプラットフォームの見せ方を工夫することで、伝えられることは多いと思う」と意気込む。
塩尻市では、地域のステークホルダーや首都圏の大手企業などとの官民共創体制を強化し、地方創生協働リーダーシッププログラム「MICHIKARA(ミチカラ)」などのプロジェクトに力を入れている。市の地域おこし協力隊・横山暁一さんも人材サービスのパーソルキャリア(東京)に籍を置いたまま、週2日、副業で活動している。今回の募集は、パーソルキャリアのハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX(アイエックス)」が同市と提携して実現した。
「第五次塩尻市総合計画」で、2020年度は中期戦略第2期の最後の年、第3期の策定を行う年にもなる。市企画政策部地方創生推進課の山田崇さんは「市が取り組む地方創生や民間との共創事業には、民間企業で活躍されてきた方の力や新たな視点が必要。共創していく基盤となるような取り組みを進めたい」と話す。