死について気軽に話し合うイベント「デスカフェ信州」が12月1日、松本・筑摩の小規模葬祭を行う「エンディングハウスあかり」(松本市筑摩1)で開催された。
信州大学(旭3)や松本大学(新村)、長野大学(上田市)で医療や福祉を学ぶ学生を中心に、25人が参加。5人ずつのグループに分かれ、ワールドカフェ形式で意見を交わした。「最期にどんな食事をしたいか」「死についてどんなイメージを持っているか」「どのような最期を迎えたいか」という3つのトピックを用意。1つのトピックについて20分程度、それぞれ考えを話して、テーブルの模造紙に書き出した。その後は席替えをして、次のトピックに。最後は模造紙にまとめたものを発表した。
「最期にどんな食事をしたいか」というトピックでは、「好きなものを食べたい」「好きな人と一緒に食べたい」「そばやおやきなど、地元のものを食べたい」という声や、「友達と飲み明かしたい」という声が上がった。最初は緊張した面持ちの参加者も、徐々にリラックスして話せる雰囲気になり、自身の体験を語る人も。席替えをした後は、前に座っていた人たちが書き込んだ模造紙の内容を振り返りながら、新たなトピックをきっかけに、意見を重ねていった。
デスカフェは2004(平成16)年、スイスの社会学者バーナード・クレッタズさんが妻との死別をきっかけに地元のカフェで始めた集まり。普段あまり触れる機会がない、死に関する多様なことを気軽に語り合う場として広まりを見せている。
同ホールを運営する「みらい葬祭」の御小柴俊也社長と、信州大学医学部保健学科の山崎浩司准教授が、ラジオ番組で共演したことがきっかけで企画。3大学の学生有志と共に準備を進めてきた。今後は県内各地でも開催したいという。山崎准教授は「死について、特に若い世代はなかなか話す機会がない。さまざまな人の思いを聞くことで、自身の考えを深めることができる場になれば」と話す。