シルクスクリーンのワークスペース「magtas(マグタス)」(松本市県2、TEL 0263-50-8163)が4月13日、松本県ケ丘高校近くにオープンした。
シルクスクリーンは、メッシュ状の版に孔(あな)を作り、その部分にインクを落としてプリントする印刷方法。版は、デジタルデータのほか、その場で手描きしたものでも作ることができる。素材は、同スペースで用意するTシャツ(900円~)、きんちゃく(250円)、マルシェバッグのほか、持ち込みにも対応する。
「レトロ印刷JAM」(大阪府)のシルクスクリーンキット「SURIMACCA(スリマッカ)」を使用。作った版を組み立てたフレームに張って、印刷する場所に置く。版の上に直接インクを乗せて、スキージーでゆっくりと伸ばしていく。版を外して、インクが乾いたら完成。店長の大澤奈那子さんは「版を作るところから始めてスムーズにいけば2時間くらいで出来上がる。子どもだと絵を描くのに時間がかかるが、どんなものを作ろうか悩むことも含めて楽しんでもらえれば」と話す。
運営はデザイン会社「MAGMAG(マグマグ)」。1年ほど前に、同社プロデューサーの菊池伸さんとデザイナーの三井則文さんが「スリマッカ」を知り、興味を持った。「学生の頃からシルクスクリーンは使っていてなじみもあった。今、デジタルの時代に『手でものを作る』ことで、デザインに対しての意識も変わると思った」と三井さん。昨年12月に同社事務所を移転し、ワークスペースの準備を進めてきた。「シルクスクリーンは子どもから大人まで誰でも楽しめる。ものづくりに触れることで、デザインも身近に感じてもらえれば」と菊池さん。
利用者は幅広く、子どもが描いた絵を印刷する家族連れや、数人の部活やサークルでおそろいのTシャツを作る学生、自身のブランドのロゴを商品に刷る人もいるという。大澤さんは「自分で描いた絵を刷ったバッグに、その場で物を入れて持って帰る子どもの姿はどこか誇らしげで、見ているこちらもうれしい」と笑顔を見せる。
「ものを作ることの楽しさが、ものを大事にするという気持ちにもつながっていくと思う」と三井さん。菊池さんは「布以外のものに刷ることもできるので、『何か作りたい』という人は気軽に相談してもらえれば」と呼び掛ける。
今後はイベントなども企画し、6月8日、9日はお笑い芸人・もう中学生さんが遊びに来る予定。
スペース利用料は大人=500円、学生=100円、小学生以下無料。製版は800円~、インクは648円~。営業時間は11時~19時。火曜・水曜定休。