現在発売中の雑誌「dancyu(ダンチュウ)」2019年4月号(プレジデント社発行)の特集「みんなのシュークリーム」巻頭に、松本の老舗洋菓子店「マサムラ」が掲載されている。
46品のシュークリームを紹介する特集の巻頭で、「松本には『マサムラ』がある。」と題して5ページにわたって掲載する。女優の市川実和子さんが上土店(松本市大手4)と本店(深志2)を訪ねる様子や、同店で提供する7種類のシュークリーム、レトロな包装紙、正村秀樹社長のコメントなどを紹介。「15年来のマサムラファン」という市川さんは、舞台の仕事で松本に滞在したときのことを振り返りながら、街の魅力にも触れた文章を寄せる。
同誌の名前には、「男子厨房(ちゅうぼう)に入らず」を転じて、「男子も厨房に入ろう!」という思いが込められている。肉や魚、酒など素材にこだわり「グルメ」な印象が強いが、近年は食パンやおにぎりなどを特集することも増え、「特別おいしい」ものだけではなく、「普通においしい」ものにも力を入れる。これまでスイーツの特集も少なかったが、今回特集するにあたり「皆が思い浮かべるシュークリームはどういうものか」を検討。その結果、「洋菓子屋のシュークリーム」に行きついた。
編集部員の杉渕水津さんは、友人から話を聞いて「マサムラ」を知ったという。看板商品の「ベビーシュー」のことを、「小さくていっぱい食べられると聞いてはいたが、意味が分からなくて(笑)。松本に行って初めて食べて驚いた」と振り返る。「皆の郷愁に訴えかけるような、初めてでもどこか懐かしい感じがするシュークリーム」とも。
1月末に行った取材では、「全然たいしたことはしていない」という正村社長の言葉が印象に残っているという。「例えば『ベビーシュー』は、どんな時間でも切らすことがないようにしているというが、そう簡単なことではない」と杉渕さん。「松本に住んでいると、当たり前のことなのかも知れないが、これがそばにあって、普通に食べられるというのは本当に貴重。松本の宝だと伝えたい」と話す。
価格は880円。