絵本作家・いわさきちひろの100歳の誕生日を祝うイベント「ちひろの誕生日会」が12月15日、「信毎メディアガーデン」(松本市中央2)で行われた。
当日は、安曇野ちひろ美術館(北安曇郡松川村)、ちひろ美術館・東京(東京都練馬区)、美術館「えき」KYOTO(京都市)のほか、生誕の地である福井県・武生など全国5カ所でイベントを行った。
イベントでは、ちひろの大好物だったイチゴのババロアが載った誕生日ケーキが登場。皆で「ハッピーバースデー」を歌って、乾杯した。生誕100年を記念して全国各地で上演されている「ちひろ-私、絵と結婚するの-」を翌日に控えた劇団「前進座」の役者らによるあいさつや、劇中に登場する紙芝居の披露もあり、にぎやかに誕生日を祝った。
ちひろの長男で安曇野ちひろ美術館常任顧問・松本猛さんは「たくさんの子どもたちのために、いい絵描きになりたい、そのためにも平和な世の中でなければいけないという思いを絵筆に込めていた。こうして多くの人が集まってくれるのは、子どもの幸せや平和を絵に重ねてくれている人がたくさんいるのだと思う」と話した。ちひろの母方は新橋、父方は梓川に実家があり、休みの度に松本を訪れていたという。「こうして祝ってもらうことは幸せ。母に代わってお礼を申し上げたい」とも。
その後、現在、1階ホールで開催中のピエゾグラフ展「ちひろからの贈り物」の見どころを紹介するギャラリートークも開催。安曇野ちひろ美術館の学芸員がガイド役となり、作品の解説をしながら回った。
同展では、ピエゾグラフなど約80点の作品のほか、アートユニット「plaplax」がコラボした「絵本を見るための遊具」も展示。上ったり、くぐったりしながら、3冊の絵本の世界を体感することができる。館内では、撮影スポットの設置や関連グッズの販売も。1階のスクエア広場では、夕方になると絵本風に作品を投影し、カラフルに彩る。
「ちひろからの贈り物」展は、一般=600円、高校生以下無料。営業時間は10時~18時(12月21日~24日は19時まで、最終日は17時まで)。12月28日まで。